eぶらあぼ 2014.7月号
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40大植英次(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団世界に顕示した名コンビによる濃厚なドイツ音楽文:柴田克彦第87回 東京オペラシティ定期シリーズ 7/17(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール第850回 サントリー定期シリーズ 7/18(金)19:00 サントリーホール問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 http://www.tpo.or.jp北欧の風が心地よい夏文:柴田克彦第4回 府中の夏 北欧の風音楽祭7/12(土)~7/18(金) 府中の森芸術劇場、ルミエール府中コンベンションホール飛鳥、ミュージックサロン・サングレース 他問 ステーンハンマル友の会 stenhammar@mbi.nifty.com/ミュージックサロン・サングレース042-369-4466音楽祭の詳細は右記ウェブサイトでご確認ください。 http://ameblo.jp/stenfuchu かくも個性的な音楽祭は他にない。全てのコンサートにスウェーデン作曲家の作品が含まれた『府中の夏 北欧の風音楽祭』が、7月に開催される。主催は20世紀前半の大家の名を冠した演奏家団体「ステーンハンマル友の会」。演目は基本的に室内楽曲で、公演は約一週間、府中の森芸術劇場を中心に様々な会場で行われる。以下、主な演目をご紹介しよう。 7月12日の『日本の音楽とスウェーデンのオリエンタリズム』は、現代作曲家にも目を向けた今回を象徴する公演。「三つの日本の悲歌」「東洋の絵」などスウェーデンの作曲家が描く東洋とはいかに?と興味をそそられる曲が並び、武満徹や間宮芳生などの北欧風(?)作品も味わえる。7月15日の『ベールヴァルド』は、19世紀前半の北欧最大の作曲家ベールヴァルドにフォーカスした公演。ドイツ・ロマン派を先取りした作風はなじみやすいし、室内楽曲をまとめて聴く機会はまたとない。加えて交流のあったリストやメンデルスゾーンの作品も演奏される。7月18日の『スウェーディッシュ・ヴァリエーション』では、第2回から取り組んでいるスウェーデンの弦楽四重奏曲からハクイニウスの作品のほか、コック、ヴィレーン、ド・フルメリ…と揃ったディープな世界。もはや一般ファンがここ以外で耳にするのはほぼ不可能だろう。 ピアノの和田記代、ヴァイオリンの鈴木千保ら、桐朋学園に学び、ヨーロッパで研鑽を積んだ本格派が揃う友の会のメンバーに、ロイヤル・ストックホルム・フィルのチェリスト、クラース・ガッゲ、東響のヴィオリスト、山廣みほがゲストで加わる演奏陣も、曲の魅力を知るに充分。未知の方も好奇心をもって訪れてみてはいかが!クラース・ガッゲ山廣みほ和田記代鈴木千保 “雄弁な指揮者が熱く語る”音楽をそのまま音にする。一見当たり前のようだが、オーケストラの特質との兼ね合いもあって案外容易ではない。だが東京フィルは、2011年7月の初共演以来、大植英次の雄弁な個性を鋭敏に表現してきた。それは、同楽団が伝統的に有するフレキシブルな対応力と、何より相性の良さゆえの成果だろう。「第九」や「春の祭典」やチャイコフスキーなどのハイカロリーでインパクト大なる音楽…。平たく言えば、このコンビの演奏はすこぶる「面白い」。 東京フィルは今年3月、創立100周年記念ワールドツアーを、大植の指揮で行った。彼らはニューヨーク、パリ、バンコクなど、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各地で公演。難曲「春の祭典」をはじめとするプログラムで喝采を浴び、圧倒的な成功を収めた。 7月、大植は東京フィルの定期に登場する。まさに“凱旋公演”だ。演目はシューマンとブラームスの交響曲第2番。ハノーファー北ドイツ放送フィルの首席指揮者として絶大な成果を挙げ、日本人で初めてバイロイト音楽祭の指揮台に立った彼にとって、ドイツ本流の交響曲プロは、渾身の王道勝負であるに違いない。それにシューマンの第2番は、敬愛するバーンスタインが最晩年のPMFで伝説の名演を残した作品だから力も入るし、ブラームスの交響曲は、東京フィル初共演時にも1番を取り上げた自信のレパートリー。その初共演時やベートーヴェン等で実現してきた重厚・濃密な快演からも期待は大きい。元来の佳きコンビネーションにワールドツアー成功による絆が加わった今の両者の公演を、聴かずにはおれない。今年3月のニューヨーク公演で熱演を繰り広げる大植英次&東京フィルハーモニー交響楽団 ©Mayumi Nashida
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