eぶらあぼ 2014.7月号
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327/12(土)18:00 浜離宮朝日ホール問 アスペン03-5467-0081 http://www.aspen.jp布谷史人(マリンバ) マリンバで紡ぐ“歌心”文:笹田和人7/3(木)19:00 あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール、7/5(土)14:00 トッパンホール、7/9(金)18:45 電気文化会館ザ・コンサートホール問 プロアルテムジケ03-3943-6677 http://www.proarte.co.jpファン・カルロス・ロドリゲス(ピアノ) スペイン・ピアノの神髄に触れる文:笹田和人©Marco Borggreve 「マリンバ」と一言で言っても、そのアプローチの仕方は演奏家それぞれ。布谷史人の持ち味は温かで包み込むような音色だろう。7歳でピアノ、17歳でマリンバに転じた布谷。山形大学を経てボストン音楽院の修士課程を終え、数々の国際コンクールで実績を重ねて、今やドイツを拠点に国際的奏者に。彼は言う。「歴史の浅い楽器で深みのある演奏をしたいと追求し、行きついた先は“歌”だった」。 超絶技巧のヴァイオリン作品へマリンバを駆って挑むワックスマン「カル 「スペインのピアニストとして、母国の音楽には常に深く関わってきました。とりわけ、マヌエル・デ・ファリャの作品からは、私自身が彼と同郷のカディス出身と言うこともあり、大きな影響を受けています」と、ファン・カルロス・ロドリゲスは語る。指揮者のハンス・グラーフら巨匠の薫陶を受け、数々の国際コンクールを制して、ヨーロッパ各地でリサイタル活動やオーケストラと共演。近年はアジアへもツアーを行うなど、グローバルに活動の幅を広げている。 大阪を皮切りに、東京、名古屋を巡るメン幻想曲」、心地よい癒しに満ちた植松伸夫「イヤーズ&イヤーズ」、名曲の引用を交えつつ、時に声までも演奏表現に採り込む安倍圭子「マリンバ・ダモーレ」。あるいは「ブエノスアイレスの冬」などに聴く、情熱的なピアソラのタンゴの調べ。多彩なレパートリーを貫いているのは、“歌心”に他ならない。ピアノの坂野伊都子と共に臨むリサイタルは、布谷の“唯一無二”の音楽世界に触れる、素敵な機会となるだろう。 来日リサイタル・ツアー。「4つのスペイン小品」「ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌」「ファンタジア・ベテッカ」に「カンシオン」「セレナータ」など小品を交えて、ファリャの芸術の粋を追求する。一方で、やはりスペインを代表するもう一人の作曲家、イサーク・アルベニスの有名な組曲「イベリア」から「マラガ」「エル・アルバイシン」を披露。スペイン音楽の神髄に触れられるステージとなりそう。7/11(金)19:00 Hakuju Hall、7/23(水)19:00 あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール、7/24(木)19:00 岡山市立オリエント美術館中央ホール問 ダウランド アンド カンパニイ042-390-6430タブラトゥーラ 結団30周年記念大演奏会飛んだり跳ねたり踊ったり!?文:寺西 肇 「何やら小難しい」という古楽のイメージをひっくり返すべく、「志は高く、敷居は低く、面白くて誰でも楽しめるステージを」とリュートの名手・つのだたかしをリーダーに立ち上がった、古楽器“バンド”「タブラトゥーラ」。予想不可能でエキサイティングな即興演奏や、飛んだり跳ねたり踊ったり(!)という自在な演奏スタイルが聴衆から着実に支持を得て、遂に結団から30周年を迎えた。そのウエイトは古典から徐々にオリジナルへとシフトし、今や「タブラトゥーラ」という、独自のジャンルを確立した感も。記念の“大演奏会”では、つのだの「木ッ端微塵」ほかメンバーによるノリノリのオリジナル曲に、「レセルカーダ」(16世紀スペイン)など、彼らの“原点”とも言うべきルネサンスの舞曲を交えて。客席に座っていて、もし貴方がそうしたいと思ったなら、躊躇せず手拍子をして、踊ってしまえばよい。なぜなら、それこそが「タブラトゥーラ」なのだから。写真提供:所沢ミューズ

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