eぶらあぼ 2014.7月号
182/197

235『睡眠 ーSleepー』unit-Cyan『シアンの孤独』夏休み 親子で楽しむバレエ in 立川オーレリー・デュポン&勅使川原三郎の初共演!金森の振付と井関の舞いに期待谷桃子バレエ団が贈る名作2本立て文:高橋彩子文:乗越たかお文:石村紀子 パリ・オペラ座のエトワールとして15年以上活躍してきたオーレリー・デュポン。2015年に決まっている定年でのオペラ座引退を前に、この夏、勅使川原三郎の日本での新作『睡眠 ーSleepー』に出演する。デュポンといえば、古典でも現代作品でも、独特の輝きと存在感を放つことで知られるバレリーナ。去る3月にはパリ・オペラ座来日公演でノイマイヤー振付『椿姫』の 肩書きがすごい2人である。日本唯一のレジデンス・ダンスカンパニーnoismの芸術監督である金森穣と、その副芸術監督である井関佐和子。が、そんな肩書きをすべて置き去り、「ただの2人のダンサー」として、そして現実の夫婦である一組の男女として出会い、踊る。それがユニット・シアン(unit-Cyan)である。 これまでも『シアンの告白』『シアンの家』の2つを発表しており、今回が3作目になる。ときにストレートに互いに対する愛情が描かれることもあった 子どもと一緒にバレエを観たいが、迷惑になりそうで行きづらいとヒロインを踊ったことは記憶に新しい。勅使川原作品には昨年、パリ・オペラ座からの委嘱作『闇は黒い馬を隠す』で初出演し、流動的・有機的で、空気の質感そのものを捕らえ直すような独特の動きに挑んだ。今回は勅使川原、佐東利穂子らとの共演により、さらに深化した表現に期待がかかる。一方の勅使川原は国内外での精力的な活動に加え、昨年、創作スペーが、深い信頼の眼差しはやがて2人の関係を越えて、観客一人ひとりに寄り添うような舞台が紡がれていった。 …ただ今回のタイトルに「孤独」とあるのは気になるところだ。「気まぐれな見巧者(観客)の視線に晒されながら」「人は多くの他者と共に生きて」いる、とのことだが、どうやら従来とはまた違った展開になりそうである。美いう人にもぜひ足を運んでほしい公演がこちら。演目は『白鳥の湖』第2幕と『ピーター・パン』。優雅で精緻なフォーメーションが醍醐味の叙情的な古典の名作と、子どもが大好きな物語をバレエ化した躍動感溢れる快活な演目の2本立てで、バレエの魅力を堪能できるラインナップとなっている。チケット購入者の中から抽選で舞台製作の裏側を見学できるバックステージ&レッスン見学ツアーも開8/14(木)~8/17(日) 東京芸術劇場プレイハウス 問 東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296 http://www.geigeki.jp8/21(木)19:00 愛知県芸術劇場 問 愛知芸術文化センター 052-972-04308/23(土)18:00 兵庫県立芸術文化センター 問 芸術文化センターチケットオフィス0798-68-02558/24(日)15:00 高知県立美術館ホール問 高知県立美術館 088-866-8000 http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~museum8/31(日)14:30 サンポートホール高松 第1小ホール問 サンポートホール高松プレイガイド 087-825-5008 http://www.sunport-hall.jp8/23(土)16:30、8/24(日)14:00 たましんRISURUホール問 谷桃子バレエ団 03-3717-7806 http://www.tanimomoko-ballet.comスKARAS APPARATUS(カラス アパラタス)という拠点も得て、益々の充実ぶりを見せている。成熟した表現者である彼らの新たな挑戦から目が離せそうにない。術&衣裳に現代美術で活躍する中嶋佑一、写真家・映像作家の遠藤龍とのコラボレーションも期待される。催され、バレエを習っている子どもにとっては、特別な学びの場にもなりそう(各回50名。申込多数の場合は抽選)。配役には、谷桃子バレエ団が誇るソリストたちが勢ぞろい(オデット/佐々木和葉、ジークフリート/檜山和久、ロッドバルト/須藤悠、ピーター・パン/山科諒馬・中村慶潤、ウェンディ/木田玲奈・齊藤耀、フック船長/三木雄馬)。夏休みの素敵な思い出になるに違いない。2013年8月「シアンの家」高松公演より©Anne Deniauデュポン©Rihoko Sato勅使川原 ©studio K『ピーター・パン』

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です