eぶらあぼ 2014.7月号
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174音楽監督として東京ヴィヴァルディ合奏団を率いてきたチェロの渡部宏と、盟友であるピアノのティモシー・ボザースによるリサイタル・シリーズ「エローラのゴーシュ」が11回目に。今回は福島県出身の民謡歌手、原田直之をゲストに迎え、「新相馬節」など東北地方の民謡のほか、東日本大震災の復興応援ソング「花は咲く」などをとりあげる。前半にはブラームス「雨の歌」やドヴォルザークなど古典の佳品も。国内外で活躍する名手たちにより結成、横浜の地に名演を届け続ける「アンサンブル de ヨコハマ」。今回はコンマス渋谷由美子がリード、指揮者なしのステージに。まずは、3年前からフランクフルト歌劇場の首席オーボエ奏者を務める俊英・近藤那々子を迎え、モーツァルトとチマローザの名協奏曲を。さらに、サリエリとバッハの末息子クリスチャンの珍しいシンフォニアに、モーツァルトの交響曲第29番と充実のプログラムで臨む。間違いなく、「いま聴いておくべき“旬”の演奏家」の1人だろう。2002年に第8回モーツァルト国際コンクールで日本人初の優勝を飾り、世界のスターダムを駆け上がった菊池洋子が、ヤマハホールのシリーズに初登場。ベートーヴェンのソナタ「月光」を核に据え、ノクターン第1番・第2番・第20番などショパン、「アヴェ・マリア」などリスト編曲のシューベルトに細川俊夫「舞い」を配した、魅力あふれるプログラムを披露する。世界の檜舞台で活躍を続け、昨年にNYデビュー40周年の記念リサイタルを終えたばかりの田崎悦子。演奏家人生の集大成として取り組むリサイタル・シリーズ『三大作曲家の遺言』。第2弾は、ベートーヴェンの第31番とシューベルトの第20番、2つのソナタにブラームス「6つの小品op.118」と、田崎が「まるで生きているように、近しく感じる」と語る大作曲家たちの最晩年の作品を集めて。ジャズとクラシックの語法を融合させた、独特の音楽創りで知られるニコライ・カプースチン。ピアノの川上昌裕は作曲家本人と親交を温め、その作品の魅力を紹介する一方、楽譜の校訂も手掛ける。今回はヴァイオリンの鎌田成光(なるみ)やヴィオラの渡邉千春ら仲間たちと共に、鬼才の室内楽を特集。ピアノ五重奏曲をはじめ、ヴァイオリンやヴィオラのためのソナタなどに、フォーレやシューマンなど古典作品も添えて。2004年にドイツで結成、国内外で400超のステージを重ね、ピアノデュオの魅力を伝え続ける「ドゥオール」(藤井隆史&白水芳枝)。共に東京芸大を経て、マンハイム音大大学院を最優秀で修了。結成10周年を記念するリサイタルは「4手連弾の午後」と題して、作曲者自身の編曲によるブラームス「交響曲第3番」や、ガーバン編曲のサン=サーンス「動物の謝肉祭」、ラヴェル「マ・メール・ロア」と意欲的なプログラムに挑む。月の7アンサンブル de ヨコハマ“モーツァルト + 同時代の作曲家”の一夜菊池洋子(ピアノ)ピアノデュオ ドゥオール結成10周年記念リサイタルシリーズ2014 渡部宏(チェロ)“エローラのゴーシュ”Vol.11川上昌裕(ピアノ)と仲間たちVol.1カプースチンへの誘い田崎悦子(ピアノ)『三大作曲家の遺言』シリーズ第2回7/5(土)19:00 横浜みなとみらいホール(小)7/19(土)16:00 ヤマハホール7/13(日)14:00 津田ホール7/6(日)14:00 田園ホール・エローラ7/21(月・祝)14:00 トッパンホール7/13(日)13:30 あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール文:笹田和人 ©Marco Borggreve近藤那々子渋谷由美子渡部宏原田直之 ©Akira Muto

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