eぶらあぼ 2014.7月号
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154CDSACDCDCDショパン:14のワルツ&7つのマズルカ/ルイサダオン・グリーン・ドルフィン・ストリート/東京メトロポリタン・トロンボーン・クァルテットウィーンの謝肉祭の道化~シューマン ピアノ作品集Ⅸ/小林五月スクリャービン:ピアノ・ソナタ第3番~第5番/ボリス・ベクテレフ◎ショパン:ワルツ第1番~第14番 マズルカ第42番~第48番ジャン=マルク・ルイサダ(ピアノ)セロツキ:トロンボーン四重奏のための組曲バセット:トロンボーン四重奏曲ペダーソン: ワインズ・アンド・チャイムズ ザ・ピースフル・プラネットドゥファイ:4つの小品 他東京メトロポリタン・トロンボーン・クァルテット[小田桐寛之、井口有里、青木昂、野々下興一]◎シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化 夜曲op.23 4つの行進曲op.76小林五月(ピアノ)◎ スクリャービン:ピアノ・ソナタ第3番~第5番、アルバムの綴りop.45-1,op.58、スクリャビニアーナ(8つの小品~フルートとピアノのための/ベクテレフ編曲)ボリス・ベクテレフ(ピアノ)マリオ・アンチロッティ(フルート)ソニーミュージックSICC-10213 ¥2800+税マイスター・ミュージックMM-2184 ¥2816+税コジマ録音ALCD-7184 ¥2800+税カメラータ・トウキョウCMCD-28304 ¥2800+税 ルイサダが23年ぶりに録音したショパンのワルツ集(全19曲中、第1〜14番を収録)。しかも、録音会場はアクロス福岡とくれば、日本のファンには嬉しい贈り物だろう。演奏を聴いていて印象的なのは、驚くほど即興的な柔軟性。作品それぞれの曲想を的確に把握しながら、テンポの変化や転調といった音楽の揺れに細心の注意を払うことで、ショパンのワルツ独特の華麗さとメランコリーの両面にバランスよく光をあてている。この14曲の後に続くのが、遺作のマズルカ7曲。こちらも淡々とした流れの中にほんのりまろやかでコクのある、上品なロマンが浮かび上がる。(渡辺謙太郎) 充実顕著な都響のメンバーによるトロンボーン・クァルテットの、3年ぶり5枚目の新作。オリジナル、バロック、ジャズ等の多彩な音楽を見事に吹き分けた好アルバムだ。同一楽団の奏者ゆえに、音色や発音、フレージング等の均一度が高いのは当然ながら、見事に揃った呼吸感で創出されるハイレベルな音楽は、“仲間だから”の域を遥かに超えている。セロツキをはじめとするシリアスな作品も素晴らしいが、20世紀アメリカのトロンボーン奏者、ペダーソンのオリジナル曲5曲は特に聴きもの。音楽はハイセンスで、サウンドは心地よく、演奏は愉しくノリがいい。(柴田克彦) 9作目となる小林五月のシューマンのピアノ作品集がリリースされた。録音とコンサートの両軸でシューマンの全曲演奏を進めるスペシャリストの小林が今回取り上げたのは、若きシューマンがウィーン時代に書いた「ウィーンの謝肉祭の道化」と「夜曲」、そしてドレスデン時代の「4つの行進曲」である。深く自由な息づかい、アゴーギグの在り方を追求した小林の演奏は、「道化」のソナタ的なスケールを強調し、「夜曲」ではモノローグのような幻想的色彩を放つ。「行進曲」では低音域の動きに呼応し、ピアノのボディ全体が共鳴しているのが生々しく伝わる素晴らしい録音だ。(飯田有抄) 当代きってのスクリャービン弾きとして名高いロシアの名手。7年に及んだソナタ全集録音が遂に完結した。今回収録のソナタ第3〜5番は、作曲者が神秘主義に傾倒し、独自の作風を確立していった頃の作品。ベクテレフはスクリャービンの孤独な心の旅を辿るかのように、一つひとつのフレーズを掘り下げ、豊かなニュアンスで紡いでいく。併録は、抒情美溢れる2つの「アルバムの綴り」と、「スクリャビ後者の原曲は8つのピアノ小品で、それをベクテレフがピアノ&フルート用に編曲したものだ。印象派のように調性がゆらめく曲想はフルートと実に相性がよい。(渡辺謙太郎)
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