eぶらあぼ 2014.7月号
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148SACDCDCDCDプロコフィエフ&ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲集/コパチンスカヤJ.S.バッハ:パルティータ(全曲)/カール=アンドレアス・コリーアリエ~オペラ・アリア集/須藤慎吾神楽歌と伊福部昭/藍川由美ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲/ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲用のカデンツァ/プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番パトリシア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン)ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団◎J.S.バッハ:パルティータ(全6曲)カール=アンドレアス・コリー(ピアノ)ベッリーニ:《清教徒》/ドニゼッティ:《愛の妙薬》《ランメルモールのルチア》/ヴェルディ:《椿姫》《リゴレット》《オテッロ》/ジョルダーノ:《アンドレア・シェニエ》のアリア 他須藤慎吾(バリトン)鈴木織衛(指揮)仙台フィルハーモニー管弦楽団神楽歌「篠波(さざなみ)」、「阿知女法(あちめのわざ)」/伊福部昭:映画「日本誕生」より、映画「モスラ対ゴジラ」より 他藍川由美(歌、琴)エイベックス・クラシックスAVCL-25824 ¥3000+税マイスター・ミュージックMM-2185-86(2枚組) ¥3790+税ソニー・ミュージックダイレクトMECO-1021 ¥2857+税カメラータ・トウキョウCMBK-30003 ¥3000+税 近年発売されたこの2曲のCDの中でも最も注目すべき快演。炸裂する表現力に瞠目! 両曲の終楽章でのカメレオンのような目まぐるしい表情と音色の変化、エッジの利いたリズム、プロコフィエフの美しく叙情的な第2楽章における、ギリギリまで抑制された音量と、意図的に抑えていると思わせる表現の起伏の中から伝わってくる繊細なニュアンスの綾。それに加えて張り詰めた緊張感も凄まじい。両協奏曲の間には、カデンツァを書かなかったストラヴィンスキーに代わってコパチンスカヤが書いた自作カデンツァを収録、これがケッサク。ユロフスキ&ロンドン・フィルも万全だ。(藤原 聡) バッハのクラヴィーア作品を精力的にリリースし続けているカール=アンドレアス・コリーが、待望のパルティータ全曲を発表した。彼はすでに2002年に第1番・第2番・第4番のCDを出しているが、今回は新たに録音された第3番・第5番・第6番を加えての2枚組である。スイスのオルガニストである父のもとに生まれたコリーだがレパートリーは幅広く、ソロのみならず室内楽奏者としても活躍中だ。その豊かな音楽経験が、舞曲的な軽やかさ、オルガン的な重厚な響き、センチメンタルな歌い回しなど、ピアノで奏でるパルティータの楽しさと煌めきとを存分に伝えてくれる。(飯田有抄) 国内外のコンクールで次々に優勝・上位入賞、1999年からイタリア各地の劇場でキャリアを積み、2006年の帰国後は藤原歌劇団のプリモ・バリトンとして活躍する注目株・須藤慎吾の初CD。とにかく声が二枚目。どの歌でも、完全に主役として存在している。といって、声に頼って表現が画一的になることはなく、多彩かつ柔軟。ダメ息子を説得する慈愛に満ちた父親も、抑えきれない怒りと嘆きを吐露する醜い道化師も、理想を凌駕する嫉妬心に抗えずに葛藤する革命戦士も、自信満々の颯爽としたイケメン闘牛士も、その心理を巧みに引き寄せる声。これぞオペラ歌手。(宮本 明) 長きにわたって伊福部昭の指導を受けてきたソプラノの藍川由美が、その生誕百年に一風変わったオマージュ・アルバムを編んだ。「作曲家は氏素性を音楽で語らなくてはならない」という師の言葉を導きとして、神楽歌をはじめとする古代の歌を、自らつま弾く和琴の伴奏で朗誦する。これに伊福部の「日本誕生」や「聖なる泉」といった作品を続けることで、両者の共通点が浮かび上がる。緻密な考察とあざやかな歌唱によって藍川は、伊福部節として知られるものの中に伝統的な感性が息づいていることを明らかにした。低めいっぱいの音域でうなるように歌う箇所には、彼女の執念も感じた。(江藤光紀)

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