eぶらあぼ 2014.7月号
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146いアートパトロンをテーマとして、1992年より毎年1作発表されている。2014年の同シリーズには、スタインウェイ&サンズ社の創立者、ヘンリー E. スタインウェイが選ばれた。この「パトロンシリーズ」は、4810エディション(世界限定4810本)と888エディション(世界限定888本)の2作の万年筆で構成される。●モンブラン http://www.montblanc.com/ja-jp●スタインウェイ・ジャパン http://www.steinway.co.jp/■2014年度武満徹作曲賞受賞者決定 東京オペラシティ コンサートホールで2014年度武満徹作曲賞本選演奏会が行われ、ハンガリーの作曲家・指揮者のペーテル・エトヴェシュの審査のもと、2014年度「武満徹作曲賞」の受賞者が決まった。受賞者と作品は以下の通り。【受賞者・作品】第1位 大胡恵(だいご けい)(日本)「北之椿(きたのつばき) ─ 親和性によるグラデイション第2番 ─」(賞金120万円)第2位 ジョヴァンニ・ダリオ・マンジーニ(イタリア)「かくて海は再び我らを封じた」(賞金80万円)第3位 ティモ・ルートカンプ(ドイツ)「ブラック・ボックス」(賞金60万円)第4位 シラセート・パントゥラアンポーン(タイ)「覚醒 / 寂静」(賞金40万円) 「武満徹作曲賞」は、より創造的な音楽文化の可能性を育むため、東京オペラシティ文化財団が世界の次代を担う若い世代に新しい音楽作品の創造を呼びかけ、ただ一人の作曲家が審査員をつとめるというユニークさと、受賞者のその後の活躍などで世界的に知られている。■小澤征爾が 第23回モンブラン国際文化賞を受賞 指揮者の小澤征爾が、第23回「モンブラン国際文化賞 アート・パトロネージ アワード2014」を受賞し、去る5月29日に東京の青山梅窓院で授賞式が行われた。 モンブラン社は1992年に、芸術・文化の世界で若い才能の支援・保護に情熱を傾け、その分野の発展と活性化に貢献する人物(アートパトロン)を支持する目的からモンブラン文化財団を設立、毎年世界各国の芸術分野からアートパトロンを選出し「モンブラン国際文化賞」を授与している。今年は世界11ヵ国で12人の受賞者が選ばれ、日本からは小澤征爾が受賞。「小澤征爾音楽塾」および「小澤国際音楽アカデミー」における熱心な音楽活動が高く評価された。 受賞に際し小澤は喜びを次のように語った。 「僕以上にすばらしい教育をうけた者はいない。戦争中に苦しいことはあったけど、成城学園に入って、ピアノもコーラスも卓球もラグビーも、すべてが楽しかった。そして、音楽の一番の基礎となるバッハを子どもの頃から教わった。齋藤秀雄先生からは最高の指揮法を学んだ。その後、ブザンソンで優勝し、バーンスタインの弟子になり、カラヤンにつき、教育を受けた。いまでも先生方の顔が浮かぶし、成城学園の3年間が目に浮かぶ。今この場所にいるのは僕が世界一の教育を受けたからだと思う。そこから、音楽塾、奥志賀やスイスでの国際音楽アカデミー、サイトウ・キネンなどの活動につながった」 小澤征爾にはモンブラン・ジャパンから「モンブラン パトロンシリーズ 2014 ヘンリー E.スタインウェイ」特別モデル(受賞者への贈呈とモンブランミュージアム保存用の計13本のみ製作)が授与された。モンブランの特別モデル「パトロンシリーズ」は、歴史上名高左より ルートカンプ、大胡、エトヴェシュ、マンジーニ、パントゥラアンポーンの各氏 ©大窪道治/写真提供:東京オペラシティ文化財団左)ホルヘ・プエンテス モンブランジャパンCEO&プレジデント 右)小澤征爾 ©M.Terashi/TokyoMDE
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