eぶらあぼ 2014.6月号
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66マークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)★6月27日(金)・紀尾井ホール●発売中問 紀尾井ホールチケットセンター  03-3237-0061http://www.kioi-hall.or.jp★6月15日(日)・たましんRISURUホール(立川市市民会館) ●発売中問 コンセール・プルミエ042-662-6203 2000年の「多摩モノレール」全線開通以来、大型商業施設の誕生が相次ぎ、今や多摩地区随一の人気タウンとなった立川。そんな同地を“オペラの町”にするべく「立川オペラ愛好会」が主催するガラコンサートも今回が4回目。二期会と藤原歌劇団のトップスターたちが競演しオペラの名曲を披露する豪華なステージを手ごろな価格で楽しめるとあって、遙々遠方より駆けつけるオペラ・ファンも増えているという。演奏曲目は《カルメン》の〈闘牛士の歌〉や《カヴァレリア・ルスティカーナ》の〈ママも知るとおり〉、まさにオペラ・ファン垂涎のステージ!第4回 立川オペラ愛好会 ガラコンサート 名歌手たちの夢の饗宴《ドン・カルロ》の二重唱など、ごく一部しか発表されていないが、砂川涼子(ソプラノ)と村上敏明(テノール)が揃って出演と聞けば、愛の2重唱を期待しないわけにはいかないし、安藤赴美子(ソプラノ)の蝶々夫人や樋口達哉(テノール)の華麗なアリアなどもつい楽しみにしてしまう。ピアノ演奏は人気の男声ユニット「イル・デーヴ」のまとめ役としても大活躍の、声楽を知り尽くした河原忠之が担当。同ユニットから今年は青山貴(バリトン)の参加も嬉しい。会場は話題の「IKEA立川」とは駅を挟んで反対側となる立川市市民会館。「アミューたちかわ」として親しまれてきた同館は今年、ネーミングライツ導入により「たましんRISURUホール」と改称。改修工事により客席の間隔が拡張され1201席に増えた大ホールも注目を集めている。お買い物と一緒に、午後の贅沢なひとときを。文:東端哲也青山 貴樋口達哉村上敏明安藤赴美子砂川涼子 権威あるジュネーヴ国際コンクールのピアノ部門で8年ぶり、そして日本人初の優勝者に輝き、萩原麻未に熱い注目が寄せられてから早4年が経つ。これまでの期間、彼女はパリに拠点を置き、オーケストラとの共演や室内楽でその鮮やかな演奏を披露してきた。しかし独奏を存分に堪能させてくれる機会は、少なくとも東京では2011年11月のデビュー・リサイタル以来、無かった。 6月27日、紀尾井ホールで待ちに待ったそのチャンスがやってくる。あの強烈な集中力と閃きに満ちた彼女のピアノ、そして恐らく数々のアンサンブルで一層培われたであろう音楽性をたっぷり味わえると思うと、期待で胸が熱くなる。 曲目は充実のフランスものが並ぶ。フォーレのノクターン第1番変ホ短調、第4番変ホ長調という同主調の2曲煌めくようなピアニズム萩原麻未(ピアノ)に、ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」と「喜びの島」が続く。ラヴェル作品からは「高雅で感傷的なワルツ」と「ラ・ヴァルス」を取り上げる。萩原の鋭く、美しく、そして繊細にして悪魔的な音色が、これら比較的よく知られた作品を色鮮やかに描き出すことだろう。そしてユニークな作品がもう一つ。アメリカの現代作曲家ジェフスキーの「ウィンズボロ・コットン・ミル・ブルース」だ。連打やクラスターによる轟音も飛び出す曲だけに、むしろセンスの良さとコントロール力が不可欠だ。煌めくような萩原のピアノで是非とも聴いておきたい。文:飯田有抄ⒸAkira Muto

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