eぶらあぼ 2014.6月号
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42★6月30日(月)・紀尾井ホール ●発売中問 〈友〉音楽工房03-5155-3281マークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) 1998年にスタートした『Libera Opera Series』は、室内楽伴奏、シンプルな演出・装置・衣装というミニマムな形式ながら、オペラ本来の核心とも言える「歌」そのもののクォリティにこだわったオペラ上演を続けている。 その第12回公演はヴェリズモ・オペラの傑作、ジョルダーノの《アンドレア・シェニエ》。歌手にとっては、旋律的な歌謡性と、生々しいドラマ性の両方が求められている作品で、特に主役の憂国の詩人シェニエ(テノール)は、高音域から中低域まで幅広い劇的表現が不可欠だし、各幕のアリアや二重唱など、音楽的にもまさに主役中の主役。この役に起用されたのは、貴重なリリコ・スピントの若手として、現在ジェノヴァで活躍中の岡田尚之(これが実質的な日本デビューとのこと)。そして、愛ゆえに断頭台の“歌”を存分に聴き取りたいファンのためにLibera Opera Series 12 《アンドレア・シェニエ》露と消えることを選ぶヒロイン、マッダレーナ(ソプラノ)を演じるのは、シリーズ12回のうち実に10公演で主役を演じている関定子。このシリーズに欠かせない歌姫だ。物語の鍵を握るジェラール役(バリトン)には、すでにこの役で実績のある小川裕二が登場。他にも多くのベテラン勢が顔を揃え、少ない出番の割に重要度が高い諸役にも万全の備えを見せるこのプロダクション。少人数ながら充実の歌声を聴かせる合唱の存在も併せ、“歌”を存分に聴き取りたいファンには、うってつけのプロダクションだ。なお、字幕なしの原語上演。最低限の予習は聴き手にゆだねられているから、きっちり準備して楽しみたい。文:宮本 明小川裕二岡田尚之関 定子 グスターボ・ドゥダメルをはじめとして、南米ベネズエラの音楽教育プログラム「エル・システマ」から次々と新しい才能が現れ、音楽界におけるベネズエラの存在感が急激に高まっているのを感じる。その「エル・システマ」育ちのライジングスターの一人であるドミンゴ・インドヤンが、2012年10月に次いで、この6月に新日本フィルを指揮する。 インドヤンはベネズエラのカラカス生まれで、シリア人とアルメニア人の家系の出身。ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団ではヴァイオリン奏者を務めた。数々の指揮者コンクール「エル・システマ」育ちのライジングスタードミンゴ・インドヤン(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団で入賞を果たし、すでにロンドン・フィルやスイス・ロマンド管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団他を指揮、2013年からはベルリン国立歌劇場でダニエル・バレンボイムの第1アシスタントに任命されている。日本ではパシフィック・ミュージック・フェスティバルの客演指揮者を務めたほか、2012年の新日本フィル定期演奏会では急病のハウシルトに代わって指揮台に立って注目を集めた。 今回インドヤンが指揮するのは、モーツァルトの《フィガロの結婚》序曲と交響曲第38番「プラハ」、そしてシューマンの交響曲第3番「ライン」。指揮者のキャラクターがよく伝わる選曲といえるだろう。名曲シリーズ『新・クラシックへの扉』として組まれた公演なので、初心者にも足を運びやすい選曲と価格設定となっている。すみだトリフォニーホールに清新な風が吹く。文:飯尾洋一#38 新・クラシックへの扉★6月13日(金)、14日(土)・すみだトリフォニーホール ●発売中問 新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 http://www.njp.or.jpドミンゴ・インドヤンⒸTom Fecht新日本フィルハーモニー交響楽団
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