eぶらあぼ 2014.6月号
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ぴっくあっぷ178 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会および録音シリーズで注目を浴びる小菅優。待望のソナタ集第3作目のテーマは「自然」だ。動植物の生命や人生に対するベートーヴェンの愛と畏怖が、小菅自身の抱く思いとシンクロし、真心のこもった音楽となって届けられる。第21番「ワルトシュタイン」、第19番、そして第26番「告別」などの7曲のソナタを収録。前作までと合わせ20曲のソナタが出揃った。勢いに満ちた「ワルトシュタイン」、素朴さゆえに集中力を喚起させる19番、ハーモニーの移ろいに胸が熱くなる「告別」など、本作も聴き応え満点だ。(飯田有抄)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第3巻「自然」/小菅優◎ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第15番「田園」・第25番・第21番「ワルトシュタイン」・第19番・第20番・第4番・第26番「告別」小菅優(ピアノ) 「混声と管・打楽器」「同声と弦楽」と、器楽合奏を伴う(3曲目はチェロ独奏)合唱作品を収録。「レクイエム」はラテン語の典礼文による作品。その深い畏れと美しい祈りや、「じゅうにつき」の鮮やかな幻想を、大学生と中学生の2つの合唱団が熱演。さらに、能弁な器楽パートが表現を多層化して合唱を立体的に立ち昇らせる。この効果はピアノ伴奏ではなかなかなし得ないだろう。合唱団からの作曲依頼が引きも切らない人気作曲家だが、こうした編成での多彩なパレットに魅惑されて改めて、もっと管弦楽作品を聴ける機会が増えてほしいという思いも強くした。(宮本 明)鈴木輝昭 合唱の地平Ⅱ〜レクイエム鈴木輝昭:◎レクイエム ◎じゅうにつき ◎ゴーシュ弾く…大谷研二、鈴木輝昭、浜崎香子(指揮)東京工業大学混声合唱団コール・クライネス出雲市立斐川西中学校合唱部 他 吉松の最新オーケストラ曲のカップリング。12年ぶりの交響曲である第6番は、いずみシンフォニエッタ大阪の委嘱による1管編成の精妙な佳品で、「鳥と天使が描かれた夢の中の『音のおもちゃ箱』」がテーマ。様々な大家の第6交響曲や自作の断片も登場するなど、まさにおもちゃ箱的妙味に溢れている。演奏は初演のライヴとは思えないほど精緻を極め、推進力も抜群。三村奈々恵の委嘱によるマリンバ協奏曲は、アフリカ&ラテン風の作品で、驚異的技巧を駆使した三村と好演のバックが、熱い音楽を聴かせている。“現代音楽”とは一線を画す生理的快感満載の1枚。(柴田克彦)吉松隆:交響曲第6番&マリンバ協奏曲/飯森範親吉松隆:◎交響曲第6番「鳥と天使たち」 ◎マリンバ協奏曲「バード・リズミクス」飯森範親(指揮)いずみシンフォニエッタ大阪三村奈々恵(マリンバ)山形交響楽団 三浦友理枝が、子供の頃に愛聴した作品や留学時代に学んだ作品などから、“子供たちに聴いてほしい”小品を厳選してまとめた録音。時代も国も多様な作曲家の作品が、鮮やかなコントラストと共にテンポよく続くが、その一つひとつが実に端整な仕上がり。エルガーの「愛の挨拶」やシューマンの「トロイメライ」なども、甘くなりすぎず、作品の真意に深く入り込むような演奏。一方こうした有名曲の合間に、リャードフの「玉手箱」やリゲティのピアノ練習曲「魔法使いの弟子」が挟まれる。新鮮な響きを持つ小品が、持ち前のクリアで柔らかな音色で奏される。趣向を凝らした選曲にもセンスを感じる。(高坂はる香)ミニアチュアーズ/三浦友理枝◎リムスキー=コルサコフ/ラフマニノフ:くまんばちの飛行 ◎エルガー:愛の挨拶 ◎メンデルスゾーン:無言歌集より4曲 ◎リャードフ:音楽の玉手箱 ◎リゲティ:ピアノ練習曲「魔法使いの弟子」 ◎シベリウス:樅の木 他三浦友理枝(ピアノ)収録:2013年8月、水戸芸術館ソニーミュージックSICC10211〜2(2枚組) ¥3800+税収録:2011年〜2013年、すみだトリフォニーホール 他日本アコースティックレコーズNARD-5048 ¥3000+税収録:2011年,2013年、いずみホール,山形テルサホール(ライヴ)日本コロムビア COCQ-85061 ¥2800+税収録:2014年2月、稲城市立iプラザエイベックス・クラシックスAVCL-25819 ¥3000+税CDCDSACDCD

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