eぶらあぼ 2014.5月号
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41第772回定期演奏会Bシリーズ ★6月24日(火)・サントリーホール第773回定期演奏会Aシリーズ ★6月25日(水)・東京芸術劇場 ●発売中問 都響ガイド03-3822-0727 http://www.tmso.or.jp第621回定期演奏会 ★6月14日(土)・サントリーホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511第84回新潟定期演奏会 ★6月15日(日)・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館問 りゅーとぴあチケット専用ダイヤル025-224-5521 3月末、栄光の10年を築いたスダーンが喝采の中でシェフとしての最終公演を終え、東京交響楽団の新時代が始まった。新音楽監督のジョナサン・ノットは、バンベルク響の首席指揮者を務めるほか、ベルリン・フィルはじめ一流楽団への客演も多いイギリス出身の名指揮者。この4月、個性全開のプログラムを披露する彼が、早くも6月に再登場する。 6月定期のプログラムは、ブーレーズの「ノタシオン」、ベルリオーズの「夏の夜」、シューベルトの交響曲第8番「ザ・グレイト」。まず前半はフランスの新旧革新的大家が対比される。ブーレーズ作品は、現代音楽に造詣が深く、同作曲家ゆかりのアンサンブル・アンテルコンタンポランの首席指揮者も務めたノットの面目躍如たる演目。音響的妙味十分な楽曲と相まって、その解釈が楽しみだ。ロマンティックな歌曲集「夏の夜」では、アメリカが誇るメゾソプラノ、ジェニファー・ラーモアに期待。豊新シェフが革新的大家の核心に迫る!ジョナサン・ノット(指揮) 東京交響楽団かな声量を精妙にコントロールする彼女なら、芳醇な歌唱で曲集の真価を実感させてくれる違いない。後半の「グレイト」は、バンベルク響と録音もしているノットお得意の演目。歌とロマンに溢れた「天上的」作品が、フレーズやハーモニーを的確に彫琢するノットによっていかに表現されるかに注目が集まる。 さらに深読みすれば、前半はシェフ就任に至る出会いとなった2011年10月定期同様のフランスもの、後半は前任者スダーンが在任中最も成果を挙げたシューベルトゆえ、名刺代わりにしてチャレンジングなコンサートでもある。この新コンビ、やはり目を離せない。文:柴田克彦ジョナサン・ノットⒸK.Miuraジェニファー・ラーモアⒸMacArthur Photography 都響とともに快進撃を続ける首席客演指揮者ヤクブ・フルシャ。フルシャと都響のコンビはそれだけで大きな期待を抱かせるが、6月の定期演奏会ではそこにピアノのピョートル・アンデルシェフスキが加わるのだから、聴き逃すわけにはいかない。 プログラムはいずれも20世紀前半に作曲された3曲からなる。オネゲルの交響的楽章第1番「パシフィック231」は、蒸気機関車が発車してから停車するまでの運動を描写的に表現した作品。ぜひライヴでそのダイナミズムを体験したい名曲だ。 アンデルシェフスキが独奏を務めるのはバルトークのピアノ協奏曲第3番。これまで日本で弾いてきたレパートリーを考えるとやや意外な選曲のようにも思うが、ハンガリー人とポーランド人の両親を持つアンデルシェフスキにとって、バルトークは身近な作曲家であって不思議はない。鋭利なモダニズム一辺倒ではない、アンデルシェ俊英が繰り出す鮮烈なサウンドヤクブ・フルシャ(指揮) 東京都交響楽団フスキならではの詩情豊かなバルトークを聴けそうだ。 そしてメイン・プログラムはストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」。五管編成の大オーケストラが咆哮する。管弦楽の機能性が最大限に生かされる曲だけに、フルシャと都響の現在を聴くにあたってこれほどふさわしい作品もないだろう。切れ味鋭いリズム、複雑な変拍子がもたらす躍動感、鮮烈なオーケストレーションといった作品の魅力を存分に伝えてくれるにちがいない。文:飯尾洋一ヤクブ・フルシャⒸRikimaru Hottaピョートル・アンデルシェフスキⒸK.Miura

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