eぶらあぼ 2014.5月号
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29く、順調にキャリアを積みあげているが、来日は初めて。ドミトリー・リス(指揮)ウラル・フィルとの共演によるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は大きな聴きものとなるだろう(5/5)。 ピアニストでは前回ショパン・コンクール2位のルーカス・ゲニューシャスも聴いておきたい俊英だ。鈴木優まさ人と(指揮)横浜シンフォニエッタとの共演という興味深い組み合わせで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」(5/4)を披露する。ショパンの練習曲集(5/3)でも高水準の演奏を期待できる。 常連勢では、ボリス・ベレゾフスキーが今年も健在。リス(指揮)ウラル・フィルとのラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(5/3)は得意中の得意のレパートリーだ。ラヴェルの「夜のガスパール」(5/3)、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(5/5)でも、彼のスケールの大きな演奏を堪能できそうだ。逸材セヴェールのクラリネットに期待 ピアノ以外の器楽奏者では、まずクラリネットのラファエル・セヴェールを挙げたい。卓越した技巧によって、かねてより天才少年と騒がれたセヴェールだが、今年20歳を迎える。今回はモーツァルトのクラリネット協奏曲(5/3)や、モディリアーニ弦楽四重奏団とのブラームスのクラリネット五重奏曲(5/3)といった、作曲家晩年の作品に挑む。成熟した姿を見せてくれるか。 この公演がお目当てのファンも多い「ルネ・マルタンのル・ク・ド・クール」(5/4)。多数のアーティストが出演する恒例の企画だが、ヴァイオリンのセルゲ・ツィンマーマンがモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を弾く。かの名手フランク・ペーター・ツィンマーマンの息子であり、めきめきと頭角を現す俊才である。また、同公演には若手ピアニスト、マタン・ポラトも出演。ナントではアイヴズの「コンコード・ソナタ」で快演を聴かせてくれたが、この公演ではハイドンのピアノ協奏曲を、またソロでリストやシューマンの難曲を披露してくれるというから(5/4)、その多彩ぶりに期待が高まる。 新鋭からベテランまで、今年も役者がそろった。驚きと発見にあふれた3日間になることだろう。鈴木優人 ⒸMarco Borggreveラファエル・セヴェール ⒸBetrand Bechardセルゲ・ツィンマーマン ⒸFranz Hammボリス・ベレゾフスキー ⒸCarole Bellaicheヨーゼフ・モーグ ⒸPaul Marc Mitchellルーカス・ゲニューシャス※4月10日現在の情報となっております。チケットの完売、および変更・中止の可能性もありますのでご了承ください。   アルゲリッチ&クレーメルがLFJに初登場!このたび、10回記念のお祝いにマルタ・アルゲリッチとギドン・クレーメルというビッグ・アーティストが急遽出演することになった。 売切必至の公演なので、購入はお早めに。<特別追加公演「祝祭の夜」>5/3(土)22:15〜23:10[公演番号:117]東京国際フォーラム ホールA出演:マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)*/ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)/酒井 茜(ピアノ)*/堀米ゆず子(ヴァイオリン)/川本嘉子(ヴィオラ)他曲目:春の祭典(2台ピアノ版、ストラヴィンスキー)*/動物の謝肉祭(サン=サーンス) ●4/12発売 ※18歳未満入場不可速報ラ・フォル・ジュルネ2014

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