eぶらあぼ 2014.5月号
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151コースに進学、2010年よりウィーン私立音楽大学に入学。11年11月ポーランドの第14回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールにて第2位を受賞。注目を集める新進気鋭のヴァイオリニスト。◎成田達輝(ヴァイオリン/21歳) 2007年第5回東京音楽コンクール弦楽部門第1位および聴衆賞、09年第78回日本音楽コンクール第2位およびE・ナカミチ賞、10年11月ロン=ティボー国際コンクール第2位およびサセム賞、12年5月エリザベート王妃国際コンクール第2位およびウジェーヌ・イザイ賞など、数々の賞を受賞してきた。現在は国内外の名門オーケストラとの共演や音楽祭の出演など、国際的に活躍中。◎挾間美帆(作曲・編曲・ピアノ/27歳) 2009年国立音楽大学作曲専攻卒業。在学中より作編曲活動を行ない、08年には山下洋輔作品のオーケストレーションを担当、絶賛を博し注目を集めた。10年にはジャズ・コンポジションを学ぶためニューヨークに留学。11年ASCAPヤングジャズコンポーザーアワード受賞。11年度の文化庁新進芸術家海外研修制度研修員に選ばれる。12年マンハッタン音楽院大学院を優等で卒業。多くの団体に作編曲作品を提供するほか、自身のグループ「m_unit」の活動など、幅広く活躍中。■ピアニストの小曽根真、小菅優が芸術選奨 を受賞 平成25年度(第64回)芸術選奨の贈呈式が19日、東京都内で行われ、ジャズ・ピアニストでクラシック音楽にも活発に取り組む小曽根真が文部科学大臣賞(大衆芸能部門)を、ピアニストの小菅優が文部科学大臣新人賞(音楽部門)を受賞した。 小曽根にとって平成25年は日本人初の米CBSデビューから30年、そして師でもあるゲイリー・バートンとのワールド・ツアーからも30年という記念の年。そのバートンとのデュオCDと演奏会が大きな話題となるなど、最良のメモリアル・イヤーだった。また、ジャズとクラシックとの間を軽快に往来し、カテゴリーの壁をいとも楽しげにくぐり抜けて音楽への愛をアピールしたことが評価された。 小菅は、紀尾井ホール及びいずみホールで行っているベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会の、優れた造形力と豊かで強靱な表現力が評価された。新人賞の受賞者を代表して挨拶に立った小菅は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会について次のように語った。 「ベートーヴェンは苦悩を抱えていたにもかかわらず、世の中がよくなるようにとメッセージを投げかけたり、時には反抗しながらも訴え続けてきた作曲家だと思います。20代前半からそのような大規模なプロジェクトに取り組むのは早いのではないかと反対もされましたが、若いからこそ、自分と同じ世代の人たちに考えてほしいことを訴えられるんじゃないかという思いではじめました」■インバルが東大生に特別講義 ―「都響マエストロ・ビジット」 東京都交響楽団(都響)とのマーラー・ツィクルスなどの演奏で人気を集めるエリアフ・インバル(4月から同団桂冠指揮者就任)が去る3月11日、東京大学の本郷キャンパスを訪問。都響が独自に取り組んでいる青少年教育プログラム「都響マエストロ・ビジット」の一環として、東京大学音楽部管弦楽団に特別講義を行った。「都響マエストロ・ビジット」は、青少年のための教育活動の一環として2004年に前常任指揮者ジェイムズ・デプリーストと都響が起ち上げたもの。 参加者は、第1ヴァイオリン7名、第2ヴァイオリン6名、ヴィオラ6名、チェロ4名、コントラバス3名で構成される弦楽オーケストラ。インバルが夫人とともに登場すると、学生たちがウェルカム演奏でモーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第1楽章を披露。落ち着いたテンポで整然と構築された演奏で、インバルも「とてもチャーミングな演奏で感心しました。私は仕事を失ってしまいそうです(笑)」と高く評価していた。 演奏終了後は、インバルによる約2時間の講義。イスラエルに生まれた彼が、どのようにして音楽と出会い、指揮者を志すようになったのかという半生が詳細に語られた。当初は1時間で途中休憩の予定だったが、インバル小曽根 真/小菅 優 Photo:M.Terashi/TokyoMDEPhoto:M.Terashi/TokyoMDE
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