eぶらあぼ2014.4月号
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78★4月24日(木)〜5月11日(日)会場:別府/ビーコンプラザ、大分/iichiko総合文化センター ●発売中問 アルゲリッチ芸術振興財団0977-27-2299 http://www.argerich-mf.jpマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) マルタ・アルゲリッチという、とびきりチャーミングな天才音楽家のもと、これまで数々の音楽家が集い、素晴らしい音楽を生み出してきた別府アルゲリッチ音楽祭。16回目の開催を迎える今回は、原点である『ミーティングポイント〜出会いが創るもの』をテーマに掲げ、驚きに満ちた演奏会を展開する。 今年特に注目したい公演の一つは、『ベスト・オブ・ベストシリーズ』(5/1)と題したギドン・クレーメルとアルゲリッチによるデュオ。プログラムはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタに加え、М.ヴァインベルク(ショスタコーヴィチと親交を結んだ作曲家で、ポーランドに生まれ、ナチス侵攻によりソ連に亡命した後も苦難の生涯を送った)の作品を取り上げるという意欲的な内容。二人がこの作品を披露するのは、日本では別府公演が初ということで、間違いなく貴重なステージだ。 そしてもう一つ期待できるのが、室内楽コンサート(5/10)。サイトウ・キネン・クレーメルも登場する“出会いの場”第16回 別府アルゲリッチ音楽祭フェスティバル松本に出演したメンバーと、アニー・デュトワ(語り)、そしてアンサンブル・ノマドの共演で、ストラヴィンスキー「兵士の物語」が演奏される。まさにこの音楽祭だからこそ実現する、夢の組み合わせ。また室内楽では、ヴァイオリンの川久保賜紀とチェロの遠藤真理が登場。確かな実力を持つ若手がアルゲリッチとの共演でどんな表情を見せるのか、こちらにも期待したい。 今年もアルゲリッチの魅力が引き寄せる演奏家たちの化学反応により、特別な音楽が次々と生まれそうだ。文:高坂はる香マルタ・アルゲリッチⒸRikimaru Hottaギドン・クレーメル 隆盛著しいドイツ古楽界にあって、そのトップ・アンサンブルとして疾走し続けているコンチェルト・ケルン。今回は、気品と透明感を兼ね備えた歌声で聴衆を魅了するソプラノのヨハネッテ・ゾマーと共に来日し、ドイツ・バロックの二大巨匠であるヘンデルとバッハの佳品を通じて、人間の喜怒哀楽に触れる。 コンチェルト・ケルンは1985年に設立。ドイツを代表する古楽アンサンブルのひとつに数えられる一方、熱気あふれる演奏で異彩を放ち、埋もれた佳品の発掘にも力を注ぐ。特定の企画では客演コンサートマスターを招いているが、今回は2006年にライプツィヒのバッハ国際コンクールで第2位となった平崎真弓が務める。 そして、故グスタフ・レオンハルトやフランス・ブリュッヘンら古楽界の巨匠から絶大な信頼を得て、数々の名演を披露してきたゾマー。2011年のオランダ・バッハ協会の来日公演でのバッハ古楽の名技集団とディーヴァの饗宴ヨハネッテ・ゾマー(ソプラノ)&コンチェルト・ケルン「ロ短調ミサ」や、翌年のバッハ・コレギウム・ジャパンによるヘンデル「メサイア」公演で聴かせた美しい歌声を、ご記憶の方も多かろう。 今回は、まず前半で《ジュリオ・チェーザレ》などヘンデルのオペラから、珠玉の名アリアをたっぷりと。そして後半では、名手ズザンネ・レーゲルのソロによるバッハ「オーボエ・ダモーレ協奏曲」に続き、ヘンデルのモテット「風よ静まれ」から「花の冠を与える」「アレルヤ」を披露、さらに合奏協奏曲集(作品6)から第1番を。最後は、“結婚カンタータ”として知られるバッハ「消え去れ、悲しみの影」で締め括る。文:寺西 肇★5月30日(金)・紀尾井ホール ●発売中問 紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061 http://www.kioi-hall.or.jp他公演 5/31(土)・三鷹市芸術文化センター(三鷹市芸術文化振興財団0422-47-5122)、6/1(日)・兵庫県立芸術文化センター(芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255) ※5/31公演はヨハネッテ・ゾマーの出演はありません。コンチェルト・ケルンⒸGiampiero Corelliヨハネッテ・ゾマーⒸAnnelies van der Vegt

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