eぶらあぼ 2014.3月号
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44【CD】『花のしらべ』日本コロムビア通常盤 COCQ-85048 ¥2800+税初回限定盤(写真)(カラー36Pフォトブックレット、特典CD付BOX) COCQ-85047 ¥4500+税 3月5日(水)発売 オペラの舞台からソリストと国内外で活躍中の可憐なソプラノ、小林沙羅が待望のデビュー・アルバム『花のしらべ』をリリースする。 「様々な作曲家の花にまつわる歌曲を集めてみて、今回はドイツ語・イタリア語・日本語に絞って、花束を作るように色合いなど組み合わせを考えながら選びました。現在の私らしさが出せるようなデビュー盤にしたかった」 なかでもシューマンは多めに4曲、R.シュトラウスも女性の個性を花にたとえた「乙女の花」の4曲を収録。 「どちらも大学院修了の節目にとりあげた思い入れのある作曲家です。シューマンはピアノと一緒に彼の世界を穏やかに作り上げていく感じ。強引さがなく、しみじみとした味わいが好き。単独でも素晴らしいけれどまとめて歌うともっと素敵。いつか『ミルテの花』や『リーダークライス』を通しで録音してみたいと思います。一方、R.シュトラウスは一曲一曲がオペラティックで華やかなところが魅力なのですが、この4曲ともそれぞれに個性的で表現も饒舌で、まとめて歌い上げるのはとても難しい。いろんな意味で対象的な二人ですね」 トスティやレスピーギのイタリア的な空気感も見事だが、ウィーンで20世紀初頭に活躍したマルクスも聴きどころ。 「日本ではそれほど馴染みのない作曲家ですが、オーストリアでは愛されていて、ウィーンの先生にもすすめられました。いい曲がたくさんあって、これもバラに関するとてもドラマティックな曲。日本の皆さんにぜひ紹介したくて」 日本歌曲では同じ加藤周一の詩による「さくら横ちょう」を抒情的な中田喜直版と妖艶な別宮貞雄版で収録。 「どの曲もそれぞれの言語が持つ特性と深く結びついているので、自然に歌い方は変わってきます。特に日本の歌はまだ言葉も満足に喋れない頃から好きでずっと歌ってきたものなので、私には声楽的にも違和感がないです」 最後を飾るのも日本語歌唱で、“時代の歌”ともいえる「花は咲く」と彼女自身が書き上げた「えがおの花」。 「『花は咲く』は声楽的なアプローチをしつつも、あまり表現過多にならないようにレコーディングでは工夫しました。オリジナルの『えがおの花』は自分を見つめ直していた時期に、内面の想いが素直に外に出たようにして生まれた曲です」 2014年も出演が目白押し。3月28日には紀尾井ホールで本作からのプログラムでリサイタルを開く。こちらも注目だ。 「歌いたい作品や役柄はたくさんありますが、無理をせず年齢と共にレパートリーを拡げていけたらいいですね」取材・文:東端哲也★3月28日(金)・紀尾井ホール●発売中問 Kトレーディング03-6418-1008歌の花束をおとどけします小林沙羅(ソプラノ)インタビューマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) 藤村実穂子が《ラインの黄金》のフリッカでバイロイト音楽祭にデビューしたのが2002年。日本人歌手として初めてバイロイトの主要役を歌った快挙はセンセーショナルな話題だった。以来、同音楽祭に繰り返し出演するなど、世界的なワーグナー歌手としての評価はゆるぎないし、もちろんワーグナーにとどまらず、バロックからフランス・オペラ、現代曲まで幅広いレパートリーで活躍しているのは周知のとおり。 今回のプログラムはマーラーとR.シュトラウス。ドイツ歌曲の爛熟が味わえる、後期ロマン派の残照に輝く美味しいコンビだ。曲目は、シュトラウス後期ロマン派の残照に輝く名曲を藤村実穂子(メゾソプラノ) 〜歌曲の夕べが青年期から30歳代半ばまでに作曲した歌曲の中から12曲と、マーラーの「子供の魔法の角笛」からの8曲。以前のインタビューで藤村は、「プログラムを組むのに毎回1年かけているので(リサイタルは)すべてが聴きどころ」と語っている。熟考のプログラムから何を感じ取るか。会場に足を運んだ聴き手だけに与えられる特権だ。文:宮本 明★3月25日(火)・静岡音楽館AOI ●発売中問 静岡音楽館AOI 054-251-2200 http://www.aoi.shizuoka-city.or.jpⒸK&G Photography

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