eぶらあぼ 2014.3月号
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41 その比類なき美声で聴衆を魅了し続け、わが国を代表する歌姫として活躍するソプラノの幸田浩子。イタリアのボローニャとオーストリアのウィーン、ヨーロッパ屈指の2大音楽都市に学んで、その空気感を我が物とし、ウィーン・フォルクスオーパーやローマ歌劇場、シュトゥットガルト州立歌劇場など世界的な檜舞台に立つ一方、国内でのオペラ公演はもちろん、テレビやラジオにも出演。明るいキャラクターも相まって、人気を集めている。そんな彼女が、八ヶ岳高原音楽堂でのサロンコンサートに登場。作曲家でもあるピアノの藤満健の共演で、「この道」「からたちの花」など山田耕高原で聴く名歌の数々八ヶ岳高原サロンコンサート 幸田浩子(ソプラノ)筰の歌曲やマスカーニ「アヴェ・マリア」、レハールのオペレッタ《メリー・ウィドウ》から「ヴィリアの歌」など、これまで彼女が歩いた道を映し取ったような、多彩な名曲の数々を披露する。標高1500メートルの豊かな自然の中、わずか250人の聴衆だけが味わえる世界的な歌声。この上なく贅沢な時間が、お約束できよう。文:笹田和人★3月21日(金・祝)・八ヶ岳高原音楽堂問 八ヶ岳高原ロッジ0267-98-2131 http://www.yatsugatake.co.jp幸田浩子八ヶ岳高原音楽堂★4月25日(金)・大阪/いずみホール、26日(土)・名古屋/三井住友海上しらかわホール、27日(日)・仙台/東京エレクトロンホール宮城、28日(月)・遠野市民センター、30日(水)・京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ、5月1日(木)・東京オペラシティ コンサートホール ●発売中問 ヴォイシング06-6451-6263 大蔵流狂言の茂山一門とドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン管楽ゾリステンという異色コラボによる狂言風オペラ《ドン・ジョヴァンニ》が、ゴールデンウィーク前半に全国6都市で上演される。オペラといっても歌はなく、オペラを題材にした狂言風芝居といったところ。2002年に《ドン・ジョヴァンニ》でスタート。《フィガロの結婚》《魔笛》と上演を重ね、2011年にはドイツ公演も果たした。脚本を担当しているのは、ヨーロッパ文化史が専門で、クラシック音楽関連書籍の執筆や、本誌を始めとする音楽雑誌への寄稿でも活躍する小宮正安だ。 「モーツァルトのオペラを基に新しく作り直した新作ジャンルと考えてください。古典狂言の魅力は、不条理を昇華させる笑いです。そこがモーツァルトのオペラと非常に似通っている。モーツァルトのオペラのユーモアの要素と“共振”してくれるのです。例えば《椿姫》でこれをやれと言われても困っちゃう。きっとコントになっちゃうので(笑)」 前作《魔笛》では、夜の女王が、なんと“SMの女王”に扮して鞭をふるっていた。しかも演者はもちろん男性。 「網タイツを履くので、自主的にすね毛を処理してくれたり(笑)。今回も、マゼットが名古屋弁だったり、エピローグも、あっと驚くような結末を用意してあります。茂山家は、狂言の中でも非常に柔軟な流派なのです。非常にどん欲に古典の幅を拡げる努力をしていて、何でもやるからどんどんいじってくれと言われました。ドイツ・カンマーフィルの奏者たちも、やわらかく受け止めて、楽しんでやってくれるので、今回も面白くなりそうです」 《ドン・ジョヴァンニ》には、他2作と比べても苦労したという。 「ドン・ジョヴァンニ研究でもあまり言及されていませんが、最終的に、これはキリスト教のパロディではないかという視点に行き着きました。登場人物はみんな小悪党で、地獄堕ちするドン・ジョヴァンニという『絶対的な悪』に、自分たちの罪を転嫁したので楽しく暮らしていける。これはある意味、人間の罪を背負って十字架にかけられたイエスのパロディなのではないかと」 なるほど慧眼! とはいえ、舞台自体は、そんな深刻な神学的問題を感じさせないエンタテインメントに仕上がっているので乞うご期待。モーツァルトを熟知していればもちろんのこと、オペラの知識がなくても理屈抜きに楽しめるはず。オペラ入門にも最適の、新しい《ドン・ジョヴァンニ》だ。取材・文:宮本 明狂言がモーツァルトのユーモアと“共振”する小宮正安(脚本) 狂言風オペラ 《ドン・ジョヴァンニ》インタビューマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)

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