eぶらあぼ 2014.3月号
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38第769回 定期演奏会Aシリーズ★4月8日(火)・東京文化会館●発売中問 都響ガイド03-3822-0727http://www.tmso.or.jp★9月28日(日)・よみうり大手町ホール●4月発売予定問 読売新聞文化事業部 03-3216-8500http://yomi.otemachi-hall.com フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンで構成される木管五重奏。その醍醐味は何と言っても、「木」ならではのふくよかで温かみのある音色。そして振動体が全て異なるため、5つのパートが独立して立体的に聴こえることだろう。今回初来日公演を行うバオレ・ウィーン木管五重奏団のメンバーは、いずれもウィーンのオーケストラで活躍する若き名手たち。亡きヴォルフガング・シュルツの愛息で、ウィーン国立歌劇場メンバーのマティアス・シュルツ(フルート)。現ウィーン・フィル首席のヘルベルト・マダータナー(オーボエ)。そして父がウィーン・フィル首席、弟がベルリン・フィル首席という名門一家出身のダニエル・オッテンザマー(クラリネット)ら、錚々たる面々が並ぶ。彼らの実力は、結成(2009年)の翌年に海外公演を行い、昨年6月にCD録音も行っていることからも折り紙つき。 日本お披露目となる当公演では、ウィーンの若き名手が集結!バオレ・ウィーン木管五重奏団モーツァルト「魔笛」序曲をはじめとした得意曲を多数演奏する。また、編成も五重奏に縛られることなく、フランセの四重奏曲(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット)なども盛り込んだ、若手ならではの柔軟なプログラムだ。そして今回の白眉となるに違いないのが、昨年が没後50周年ということで注目を集めたヒンデミットの作品。「5つの管楽器のための小室内音楽」という傑作を、持ち前の温かくシャープなアンサンブルで精緻に磨き上げる。文:渡辺謙太郎 ロベルト・ミンチュク。この南米ブラジルの指揮者の名前を私たちが初めて耳にしたのは、2009年夏に東京オペラシティで開催された「ヴィラ=ロボス『ブラジル風バッハ』全曲演奏会」の時である。チェロ合奏にヴォカリーズが加わった第5番はよく知られているが、全9曲を総計5時間かけて連続演奏するという世界的にみても類例のない壮絶な企画のために、はるばる地球の裏側からやってきてくれたのだ。 ミンチュクはホルン奏者としてキャリアをスタートさせた後、マズアのもとで研鑽をつみ、指揮者デビューを果たした。ヴィラ=ロボスの解釈者というにとどまらず、ブラジル国内の主要なポストを歴任し、現在はブラジル響首席指揮者に加え、カナダのカルガリー・フィル音楽監督も務めている。 そうはいってもミンチュクなら、やっぱりヴィラ=ロボスは押さえておきたい。今回の都響への客演では同郷のピアニスト、ジャン・ルイ・ストイアマロシアとブラジルの隠れた名曲を愉しむロベルト・ミンチュク(指揮) 東京都交響楽団ンのソロで、「モモプリコシ」という協奏的作品を取り上げる。「ブラジルの子供の謝肉祭」というピアノ独奏曲をもとにして作られた曲で、おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかで色彩的な世界が繰り広げられる。 ほかにもストラヴィンスキー「小管弦楽のための組曲第1番」、ラフマニノフ「交響曲第1番」と、上演機会こそ多くないものの、耳で楽しめるモダンな音楽が並んでいる。「『ブラジル風バッハ』全曲」のような酔狂な企画が成立する国の聴衆のために、「選び抜きました」と言いたげなプログラム。みんなで受けて立とうではないか。文:江藤光紀ジャン・ルイ・ストイアマンロベルト・ミンチュク
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