eぶらあぼ 2014.3月号
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1885〔Ⅰ〕オーストリアウィーン芸術週間[オーストリア](5月分/主要公演のみ)[会場:無印=ムジークフェライン大ホール(ウィーン)、(MQ)=ハレ・E・イム・ムゼウムスクヴァルティエ(ウィーン)、(TW)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)]5月10(15:30)、11(11:00)日 R.ムーティ指揮ウィーン・フィル メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」、ベルリオーズ:荘厳ミサ曲 独/J.クライターS、S.ピルギュT、I.アブドラザコフBs◎5月11(19:30)日 D.バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンブラームス:ピアノ協奏曲第1番、エルガー:交響曲第2番 独/M.ポリーニp★5月11(MQ)、13(MQ)、16(MQ)、18(MQ)日 グルック:オルフェオとエウリディーチェ[プレミエ] 指/J.ローレル、演出/R.カステルッチ、出/B.メータ、C.カルク、K.A.ギゼルブレヒト、演奏/ブロック(B'Rock)◎5月21(TW)日 G.H.ハース:血の家(2014年新訂版) 指/P.ルンデル、演出/P.ムスバッハ、出/S.ウェゲナー、R.ヴェーバー、O.カッツァマイヤー、D.グローガー他、演奏/クランクフォールム・ヴィーン◎5月24、25日 N.アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス ハイドン:四季 独/G.キューマイヤーS、B.ブルンスT、L.ピサロニBs5月28日 P.ヤルヴィ指揮パリ管 ムソルグスキー:はげ山の一夜、ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番、ラヴェル:高雅にして感傷的なワルツ、ストラヴィンスキー:火の鳥(組曲/1919年版) 独/T.ヴァシリエヴァvc5月30、31日 P.ヤルヴィ指揮パリ管 メシアン:輝ける墓、ブラームス:ドイツ・レクイエム 独/M.ソルベリS、M.ゲルネBrウィーン国立歌劇場◎5月1、4、7日 ヴェルディ:ナブッコ 指/J.ロペス=コボス、演出/G.クレーマー、出/P.ドミンゴ、Z.クシュプラー5月2、5、10日 グノー:ファウスト 指/B.ドゥ・ビリー、演出/N.ジョエル、出/P.ベチャワ、E.シュロット、A.ネトレプコ5月3、6、9日 ジョルダーノ:アンドレア・シェニエ 指/P.カリニャーニ、演出/O.シェンク、出/J.ボータ、A.マイケルス=ムーア、N.ファンティーニ◎5月8、12、17、21日 ベッリーニ:ノルマ(演奏会形式) 指/A.ユルケヴィチ、出/M.ジョルダーノ、D.P.ドゥミトレスク、E.グルベローヴァ、N.クラステヴァ5月11、15、18日 モーツァルト:皇帝ティトの慈悲指/A.フィッシャー、演出/J.フリム、出/T.スペンス、V.ジャンス5月14日 A.ハルテロスS 共/W.リーガーp5月16、19、22、25(17:00)日 ヴェルディ:椿姫 指/L.ラングレ、演出/J.F.シヴァディエ、出/M.パパタナシウ、P.プレッティ、G.メオーニ5月23、26、29日 オッフェンバック:ホフマン物語指/M.レトーニャ、演出/A.シェルバン、出/D.ファリー、M.レベカ、N.クラステヴァ、S.ハウトゼール、P.ベチャワ5月24、28日 ロッシーニ:チェネレントラ 指/J.ロペス=コボス、演出/S.E.ベヒトルフ、出/M.ミロノフ、A.アルドゥイーニ、L.ラガッツォ、M.グリツコヴァ、A.プラチェルカ5月30日 ワーグナー:ラインの黄金 指/J.テイト、演出/S.E.ベヒトルフ、出/T.コニエチュニ、N.エルンスト、E.オーウェンス5月31日 ワーグナー:ワルキューレ 指/J.テイト、演出/S.E.ベヒトルフ、出/L.ライアン、A.アンガー、T.コニエチュニ、G.B.バークミン、N.シュテンメ、E.クルマンウィーン・フォルクスオーパー5月1、4(18:00)、10日 S.ソンドハイム:ローマで起った奇妙な出来事(ミュージカル) 演出/W.ソボトカ5月3、7日 ビゼー:カルメン 演出/G.ヨーステン5月8日 ヴェルディ:椿姫 演出/H.グラッツァー5月9、16、19、27日 スメタナ:売られた花嫁演出/H.バウマン5月11、15、21日 カールマン:マリッツァ伯爵夫人[14年3月プレミエ] 演出/T.エンツィンガー5月12、17、29日 レハール:メリー・ウィドウ 演出/M.A.マレッリ5月14、20、23日 ヨハン・シュトラウス:こうもり演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニク★5月25、28、30日 ベートーヴェン:フィデリオ[プレミエ] 演出/M.ボーテアン・デア・ウィーン劇場◎5月21日 G.H.ハース:血の家(2014年新訂版) → 〔ウィーン芸術週間〕参照ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(SS)=シェーンブルン宮殿シュロスパルク(ウィーン)、(P)=スメタナ・ホール[市民会館](プラハ)、(BB)=祝祭劇場(バーデン・バーデン)、(L)=ゲヴァントハウス(ライプツィヒ)]5月10(15:30)、11(11:00)日 R.ムーティ指揮 → 〔ウィーン芸術週間〕参照5月12(19:30)日 R.ムーティ指揮 メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」、ベルリオーズ:荘厳ミサ曲 独/J.クライターS、S.ピルギュT、I.アブドラザコフBs【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 5月の公演は、まずオペラに注目すべきものが複数ある。第一に挙げるべきは、ミラノ・スカラ座でエサ・ペッカ・サロネンが振るリヒャルト・シュトラウスの「エレクトラ」。もともとは、昨年10月に急逝したパトリス・シェローが演出を担当して、昨夏のエクサン・プロヴァンス音楽祭でのプレミエ公演が大絶賛を博したプロダクションだが、それだけに、5月のミラノ・スカラ座での再上演も、シーズン開始当初から大きな期待と話題を呼んでいた作品であった。これがシェローの遺作ともいうべきオペラ作品になってしまったことは痛恨の思いだが、バイロイトの「リング」を初めとする数多くの革新的・衝撃的な舞台で世界を変えてきた天才演出家へのオマージュとして、サロネンがさらに集中した完璧な演奏を披露してくれるに違いない。5月の、というだけでなく、おそらく2013/14シーズンでの最重要公演の一つと言っても言い過ぎではないだろう。 次に注目すべきは、バイエルン州立歌劇場で新音楽監督キリル・ペトレンコが振るツィンマーマンの「兵士たち」プレミエ。現代オペラには興味がないという方もあるだろうが、昨年のバイロイト音楽祭での大成功以来、ミュンヘンでの初めてのプレミエ作品であったリヒャルト・シュトラウスの「影のない女」でまたもや大ヒットを飛ばすなど、まさに快進撃・猛進撃の続くペトレンコ。この旬の指揮者が振る本格的な現代オペラであれば、必ずや充実した音楽が提供されるものと期待が高まってしまう。 さらには、英国ロイヤル・オペラでラトルの振るプーランク「カルメル派修道女の対話」、ネーデルラント・オペラでミンコフスキが振るグノーの「ファウスト」、ドレスデン・ゼンパーオーパーでティーレマンが振るヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」といった巨匠級指揮者たちのプレミエもずらりと並ぶ。一方で、エッセン歌劇場のヤナーチェク「イェヌーファ」(ネトピル指揮)、シュヴェツィンゲン音楽祭でのハッセ「レウチッポ」(独OPERNWELD誌で昨年の最優秀演出家に演出されたタチアナ・ギュルバカが演出を担当)、ネロ・サンティ指揮のレオンカヴァッロ「道化師」(ナポリ・サンカルロ歌劇場)、コスキー演出のラモー「カストールとポリュックス」(ベルリン・コーミッシェ・オーパー)、メッツマッハーが指揮するジュネーヴ歌劇場でのワーグナー「ニーベルングの指環」ツィクルス公演など、ちょっと玄人好みの選択ではあろうが、要注目公演は多士済々。 古楽系巨匠陣の活躍からも目が離せない。アーノンクールは、主兵ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとともに大曲ハイドンの「四季」を演奏。一方、ルネ・ヤーコプスはベルリン州立歌劇場(シラー劇場)で、カヴァリエーリのオラトリオ「魂と肉体の劇」をヤーコプス自らのアレンジにより、演出付舞台上演版として演奏する。ヘンゲルブロックとバルタザール・ノイマン・アンサンブルは、パリ・オペラ座(ガルニエ宮)で上演されるピナ・バウシュ振付のバレエ「オルフェオとエウリデーチェ」(グルック作曲)の伴奏として登場する。バレエの伴奏でヘンゲルブロックが聴けるというのも贅沢な喜び。 オーケストラでは、ビシュコフがウィーン・フィルで取り上げるフランツ・シュミットの交響曲第2番、ネーメ・ヤルヴィがベルリン・ドイツ響で取り上げるアッテルベリの交響曲第6番「ドル交響曲」、ヘンゲルブロックがハンブルク北ドイツ響で取り上げるマーラーの交響詩「巨人」(現在の交響曲第1番「巨人」にまとめられる初演稿バージョン)など、この機会を逃すとまず実演ではお目にかかれないレアものばかり。プラハの春音楽祭オープニング恒例のスメタナ「わが祖国」は、今年は言うまでもなくチェコ・フィル常任指揮者のビエロフラーヴェクが担当。やはりチェコ出身の指揮者が振ってくれると安心感がわく。あとは、ピアノ協奏曲で、ルプーの独奏が妙に目につく5月のオーケストラ公演予定ということも言えようか。ファンにとっては要チェック。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)Webぶらあぼでは数ヶ月分ご覧いただけます。2014年5月の主要オペラハウス&オケ5

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