eぶらあぼ 2014.3月号
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173 アゴスティーノ・ステッファーニはイタリア出身、バロック中期の北ドイツで活躍した作曲家。その作品の中核を成すのが、2声と通奏低音のために書かれたカンタータ。カウンターテナーのロベルト・バルコーニ率いる古楽アンサンブルが、ミラノ在住のソプラノ、阿部早希子を迎えて臨んだ録音は、その多くが世界初録音となる。芯の強さと繊細さを併せ持ち、何よりも美しいバルコーニと阿部の歌声を、しなやかな器楽ががっちりとバックアップ。知られざる佳品の魅力と価値を存分に知らしめる仕上がりに。器楽では特に、チェロの懸田貴嗣の奥行きある好演が光っている。(寺西 肇)A.ステッファーニ:2声のための室内カンタータ集/阿部早希子&ファンタジアスアゴスティーノ・ステッファーニ:◎私は嘲笑う ◎貴女はとても風変わり ◎嵐のような旋風が ◎愛神に呪いあれ! ◎私は去ります ◎甘い唇、愛すべき口は 他阿部早希子(ソプラノ)ファンタジアス(古楽アンサンブル) ショパン音楽院大学院で研鑽を積み、その後16年にわたってポーランドに暮らした平澤真希によるショパンアルバム。彼女が長らく録音を夢見てきたというバラード全4曲と、ノクターン第20番、第2番、第8番が作曲順に並べられている。特にバラードの演奏からは、ひそやかに、それでいて大胆に情感が表現され、言葉を伴わずともありありとストーリーが浮かぶ。内面から湧き出すように歌われる独特のアクセントから、彼女のポーランド文化との親密度が窺える。一音ずつに強い想いが込められた演奏。日本人の自然崇拝の精神への改めての共感から生まれたという自作曲「天への回帰〜龍」も収録。(高坂はる香)オマージュ・ア・ショパン/平澤真希ショパン:◎ノクターン第20番(遺作)・第2番・第8番 ◎バラード第1番〜第4番 ◎平澤真希:天への回帰〜龍平澤真希(ピアノ) 「しっかりとしたテクニックと情熱あふれるピアニズム」の横井玲子、「抒情性豊かな感性の持ち主」である石澤直子。学んだ環境こそ違えど「穏やかで協調性がある」性格の共通する2人の奏者が、ピアニスト・岩崎淑のマスタークラスで出会い、想い出の地イタリアで「花」を意味する名の華麗なるデュオを結成。アルゲリッチやヨーヨー・マにも認められたピアソラ作品(編曲者・山本京子)を始め、ゾルタン・コチシュ版「花のワルツ」、アンリ・デュティユー版「ベルガマスク組曲」から、知られざるリスト作品、アルメニアの2大現代作曲家による共作曲と、聴き所多し。(東端哲也)デュオ・フィオーレ〜壮大な二台ピアノの世界へ◎アルチュニアン-ババジャニアン:2台ピアノのためのアルメニア狂詩曲 リスト:◎ラーコーツィ行進曲 ◎メンデルスゾーンの無言歌の主題による大コンツェルトシュトゥック ピアソラ:◎オブリヴィオン ◎リベルタンゴ ◎ラフマニノフ:ロシア狂詩曲 他デュオ・フィオーレ[横井玲子(ピアノ)、石澤直子(ピアノ)] デビュー以来、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進する19歳の当レーベル・デビュー盤。まず驚かされたのが、J.S.バッハの2つの無伴奏作品に対するアプローチ。難曲に立ち向かう気負いをまったく感じさせず、生き生きと自然体で作品に没頭しているのが凄い。繊細かつ雄弁なアーティキュレーション、重音部分の美しい和声的な動きなど、技術的にも文句のつけどころがない。その圧倒的な完成度と集中力は、約200年の時空を越えたバルトークにも受け継がれ、J.S.バッハの無伴奏ソナタ第1番へのオマージュとも言われるこの作品の核心をみごとに捉えている。(渡辺謙太郎)バッハ&バルトーク:無伴奏ヴァイオリン作品集/郷古廉J.S.バッハ:◎無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ◎無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 ◎バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ郷古廉(ヴァイオリン)収録:2013年7月、イタリア、ポンテ・イン・ヴァルテッリーナ、聖イグナチオ教会コジマ録音 ALCD-1143 ¥2800+税収録:2013年4月、岐阜、真鍋記念館クララザールソニー・ミュージックダイレクト MECO-1018 ¥2857+税収録:2013年5月、さいたま芸術劇場QUADRIGAQR-09002 ¥2500+税収録:2013年10月、プラハ、ストジェシュヴィッカー・エヴァンゲリカル教会オクタヴィア・レコード OVCL-00523 ¥3200+税CDSACDSACDCD
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