eぶらあぼ 2014.2月号
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70★3月2日(日)・東京文化会館(小)●発売中問 冨永愛子ピアノ・リサイタル実行委員会090-4742-3554/東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 2008年に開かれた第6回東京音楽コンクールで優勝を果たし、現在はドイツでさらなる研鑽を積むピアニストの冨永愛子が、同コンクールの入賞者リサイタルへ登場する。「音にこだわり続けたい」と、音楽的にも人間的にも劇的な変貌を遂げている俊英が、自らの“いま”を投影するステージ。「演奏会とは、特定の空間に集まった人々が“音”に意識を集中させる時間。だから、そのクオリティを高める努力を惜しまずにいたい」と語る。 「演奏には、奏者の“人となり”が表れるもの。これはあくまで自然と出てしまうものですよね。私は、奏者が作曲家のメッセンジャーであり、作品のフィルターとなるものと考えているからこそ、作曲家が楽譜に残したメッセージを読み解く、“人間力”を人生を通して高めていきたい」と熱い思いを吐露する。 「プロとしてやっていく覚悟が決められた」という東京音コンでの優勝。最終審査での演奏の際のステージマナーについて審査員の1人から注意を受けた経験が、特に役に立ったと振り返る。 「あの時の私は『演奏が全て』で、それさえ磨けばいいという甘い意識でいたため、面食らったような気分でした。しかし今では、学べて良かったと、とても感謝しています」 今回のステージでは、前半でスカルラッティの3つのソナタと、ベートーヴェン「ワルトシュタイン」を。そして、後半ではラフマニノフの3曲の小品と、プロコフィエフのソナタ第6番「戦争ソナタ」を配した。 「プログラミングはよく、料理のコースに例えられますが、想像力を働かせて、最後のデザートまで美味しく食べられるように、そして“気持ちの良い満腹感”を得ていただけるよう努めています。ただ私、料理が下手なせいか、今も試行錯誤中で…(笑)」。 冨永にとって、ラフマニノフは特別な作曲家だと言う。 「ピアニストとしてのラフマニノフも尊敬しています。コンクールの2次予選とファイナルでも弾きました。今回の作品は、作曲家本人が自身の歌曲から編曲したもので、わずか数分の中に壮大なドラマや、繊細な香りが散りばめられた、本当に美しい作品たちです」と思い入れを語る。 「周囲に才能を持つ人も多く、禁欲的に自分を磨くことの大切さを改めて感じる」と言うドイツでの留学生活。 「まず自分自身の耳が、厳しく良い先生でなければとの意識が強くなりました」 それでは、自分にとって音楽とは? 「私の人生を豊かにしてくれるもの。人間の一生のうちに知り得ることなんて、ごく僅かかもしれませんが、それでも音楽によって、思想や魂の揺さぶりを感じ取れるのは、何にも代えがたい幸せです」取材・文:笹田和人“気持ちの良い満腹感”があるリサイタルを目指します冨永愛子(ピアノ)インタビューマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) 仕事帰りの人でも無理なく気軽にホールへ足を運んでもらおうと、大阪フィルハーモニー交響楽団はザ・シンフォニーホールとの共同企画として、開演時間を遅めに設定したコンサート・シリーズ《ソワレ・シンフォニー》をスタートさせる。“ソワレ”とは夜に開催される公演を意味するフランス語。現在は平日の公演は19時開演が一般的だが、このシリーズでは19時30分に。チケットは3500円とお手頃価格。交響曲と小品で構成されるステージは休憩なしで約1時間と短めのため、帰途に食事などを愉しむこともできる。今年度は高関健のタクトでマーラー「巨人」(4/16)、尾高忠明でエルガー(7/31)、外山雄三でチャイコフスキー「冬の日の幻想」(10/15)、大山平一郎でブラームス(2015/1/15)と、日本大阪で新しいスタイルのコンサートがスタート!大阪フィル×ザ・シンフォニーホール ソワレ・シンフォニーを代表する実力派指揮者たちが、それぞれ得意とする作曲家の“交響曲第1番”をメインに据えた4公演を予定。このシリーズならば、普段はその機会に恵まれない人にも、コンサートを新しいライフスタイルのワン・シーンに加えることが可能になりそう。文:笹田和人〈ソワレ・シンフォニー〉シリーズ Vol.1 ★4月16日(水)・大阪/ザ・シンフォニーホール●大阪フィル・チケットセンター(06-6656-4890):1/21(火)発売、ザ・シンフォニーチケットセンター(06-6453-2333):1/22(水)発売※シリーズ詳細は大阪フィル(www.osaka-phil.com)のウェブサイトでご確認ください。左から:高関 健ⒸMasahide Sato/尾高忠明ⒸMartin Richardson/外山雄三 Photo:三浦興一/大山平一郎
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