eぶらあぼ 2014.2月号
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58★3月5日(水)・サントリーホール ●発売中問 カジモト・イープラス0570-06-9960 http://www.kajimotoeplus.com他公演 第567回 定期演奏会〜シベリウス交響曲シリーズ vol.2〜2/28(金)、3/1(土)・札幌コンサートホールKitara(札幌交響楽団011-520-1771)第767回定期演奏会 Aシリーズ★3月24日(月)・東京文化会館●発売中問 都響ガイド03-3822-0727http://www.tmso.or.jp/ 小泉和裕と都響のつながりは、小泉がカラヤン国際指揮者コンクールで1位を収め欧米で快進撃を続けていた1976年にまでさかのぼる。86年からは都響の指揮者陣に加わり、首席指揮者(95〜98年)、首席客演指揮者(98〜2008年)、レジデント・コンダクター(08〜14年)と職名を変えつつ、キャリアを通じて関係を築いてきた。昨2013年のチェコ、スロヴァキアなどを巡る東欧客演でも好評を博したのをはじめ、近年も同響と大きな成果をあげている。レジデント・コンダクターの任期が切れる本年4月からは終身名誉指揮者に就任するが、都響によれば今回の新設ポストも名誉職的なものではなく、内容・格式ともに重みをもたせるという。出番は今後も増えていきそうだ。 3月24日の定期演奏会は、新しい関係への仕切り直しとなる。この日2大巨匠作曲家の“第1番”小泉和裕(指揮) 東京都交響楽団はベートーヴェンとブルックナーという2大巨匠の交響曲第1番を振る。ハ長調のベートーヴェンに対し、ハ短調のブルックナーと、曲の相性もいいが、ブルックナーの1番は後に作曲家自身が大規模な改訂を施した版ではなく、初演当初の形に近い1866年リンツ稿を用いるということで、まさに初々しいラインナップだ。小泉は独墺系のどっしりとしたシンフォニーに持ち味を発揮し、その音作りはインバルの切れ味鋭い明快な造形ともまた一味違う。つい最近も日本センチュリー響と共演してブルックナーの初期交響曲集のCDをリリース、中規模編成による緻密なアンサンブルが高い評価を呼んでいるが、一回り編成の大きな都響ではどんな解釈になるのだろうか。文:江藤光紀小泉和裕Ⓒ堀田力丸東京都交響楽団Ⓒ堀田力丸 シベリウスの生誕150年となる2015年を目ざし、13年からスタートした尾高忠明と札幌交響楽団による交響曲ツィクルス。第1回は札幌での定期演奏会および東京公演で交響曲第1番・第3番と「フィンランディア」を取り上げ、尾高らしいがっしりとした音楽とシベリウスを得意とするオーケストラのサウンドが相まって、威厳ある巨石のような演奏をホールに響かせた。 シリーズ第2回はもっともポピュラーであり「札響の十八番。ウェールズでの公演でスタンディング・オベーションを受けたほど素晴らしい」と尾高が語る第2番、そして熱狂的シベリウス・ファンが高く評価する第4番を取り上げる。 第2番には作曲者が滞在したイタリアの明るさや古い芸術の香りが反映されつつ、大きな影響を受けていたフィンランドの叙事詩『カレワラ』の幻想的な雰囲気も色濃く出ている。「シ札響サウンドで味わうシベリウスの魅力尾高忠明(指揮) 札幌交響楽団 東京公演ベリウス自身が病んでいて苦悩している時期に、希望の光を見出すような音楽」だと語る第4番は、深く暗い森の中を彷徨うような不気味さと“魂の震え”が音楽で描かれ、初めて聴く人はそのディープな世界に引き込まれるだろう。 コンサートでは、優しさと愛らしさに心がとろけるような弦楽合奏曲「恋人」も演奏され、札響サウンドをたっぷりと味わえるはず。このコンビだからこそ生まれる芯尾高忠明Ⓒ浦野俊之マークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)の強い音楽が、あなたの“シベリウス観”を変えてしまうかもしれない。文:オヤマダアツシ

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