eぶらあぼ 2014.2月号
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56 東日本大震災で町の大半を消失した岩手県大槌町にオープンした「子ども夢ハウスおおつち」は、被災した子どもたちの心のケアを目的にした施設だ。学校帰りの遊び場であり、肉親や友人を奪われた子どもにとっては、信頼できるスタッフのいる相談所。高齢者のための小規模デイケア「夢のみずうみ村おおつち」も併設されている。Hakuju Hallのチャリティコンサートは、ボランティアと寄付金で運営される同施設に収益全額を寄付するためのイベント。小林美恵(ヴァイオリン)、長谷川陽子(チェロ)、林美智子(メゾソプラノ)、平野公崇(サクソフォン)、三舩優子(ピアノ)と、そうそ音楽ができることHakuju 東日本大震災チャリティコンサートうたる顔ぶれが出演。あの日から3度目の「3.11」。私たち聴き手が、大好きな音楽を通じて、演奏者と同等の重さでこうしたチャリティの輪に加わることができる意味は小さくない。音楽にできることのひとつだ。2月10日には音大生の出演で同趣旨のロビーコンサートも。文:宮本 明★3月11日(火)15:00/19:30・Hakuju Hall ●発売中問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700ロビーコンサート 2/10(月)18:00/19:00・Hakuju Hallホワイエhttp://www.hakujuhall.jp左から:小林美恵Ⓒ武藤 章/長谷川陽子Ⓒ武藤 章/林美智子平野公崇Ⓒノザワヒロミチ(CAPSULEOFFICE)/三舩優子Ⓒ武藤 章 リーズ国際ピアノコンクールでは、審査員満場一致の第1位に加えて、近現代部門第1位、BBC放送聴衆賞を獲得。そして、ロベルト・カサドシュ国際ピアノコンクールでも、第1位とショパン賞を受賞。突出した才能と卓越した技巧により、名門コンクールで輝かしい実績を重ねたモダン・ロシアの巨匠イリヤ・イーティンが、チェロの俊英セルゲイ・スヴォロフをパートナーに迎えて、《日経ミューズサロン》へ登場する。ステージでは、アルヴォ・ペルト「フラトレス」やラフマニノフのチェロ・ソナタ、ロシア音楽界の粋を聴く第422回 日経ミューズサロン イリヤ・イーティン(ピアノ)&セルゲイ・スヴォロフ(チェロ)ヴァイオリン作品から編曲されたシューベルトの幻想曲ハ長調(D.934)を披露。カール・ダヴィドフ国際コンクールをはじめ、数々の名門コンクールで入賞してきたスヴォロフは、実はオイストラフ・トリオなどで活躍した“伝説”の名チェリスト、スヴャトスラフ・クヌシェヴィツキー(1907〜63)の曾孫でもある。まさに、ロシア音楽界の歴史と伝統を背負う2人による、一夜限りのデュオ。聴き逃す手はあるまい。文:笹田和人★3月7日(金)・日経ホール ●発売中問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.com左:イリヤ・イーティン 右:セルゲイ・スヴォロフ トッパンホールの企画協力による《キラリふじみ・コンサートシリーズ》の第2弾。ヴァイオリニストの前橋汀子が自らの半生を追った内容の前回に続く当公演は、趣向をがらりと変えて、金子三勇士(ピアノ)、山根一仁(ヴァイオリン)、北村朋幹(ピアノ)が登場。日本を代表する俊英男性アーティスト3人が華々しい競演を繰り広げる。プログラムの軸になるのは、金子と山根の“競演”。J.S.バッハ(フランス組曲第6番 vs 無伴奏ソナタ第1番)やリスト vs ラヴェル、バルトーク vs プロコフィエフといった超絶技巧曲を対置す華々しい“競演”と“共演”キラリふじみ・コンサートシリーズ金子三勇士(ピアノ) vs 山根一仁(ヴァイオリン) with 北村朋幹(ピアノ)ることで、楽器や作曲家の個性も含めた聴き比べの魅力を鮮やかな形で浮き彫りにする。そしてもうひとつの聴きどころが、ラヴェルのツィガーヌとプロコフィエフのソナタ第2番で山根と“共演”する北村のピアノ。2011年からベルリンで学ぶ若き知性派の好サポートは、随所に新発見を盛り込みながら、作品解釈の面白さを瑞々しく知らしめてくれるに違いない。文:渡辺謙太郎★3月2日(日)・富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ ●発売中問 富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ049-268-7788http://www.kirari-fujimi.com金子三勇士左:北村朋幹 右:山根一仁Ⓒ藤本史昭

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