eぶらあぼ 2014.2月号
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50 みなさん、オック語というのをご存知ですか? これはフランス南部を中心とするヨーロッパの一部で使われている言葉。13世紀以降衰退したが存続運動も根強く、そのために活動する団体も少なくない。ルー・クワール・デ・ラ・プラーノもそんな1つ。2001年に結成されたこの男声コーラス・グループは、オック語によるレパートリーと独創的なパフォーマンスで結成当初から世界のメディアが大注目。日本でもNHK-BS『Amazing Voice 驚異の歌声』でその歌声が紹介され大きな話題となった。音楽の“ブイヤベース”!王子ホール G-Lounge #18 ルー・クワール・デ・ラ・プラーノ このルー・クワール・デ・ラ・プラーノが、王子ホールの《G-Lounge》シリーズに登場する。聖歌、舞踊歌、古謡、そしてオリジナルをミクスチャーしたそのスタイルは、まさに音楽の“ブイヤベース”。プリミティブなパーカッションを使いながら歌のエネルギーが増幅していく様は、一種陶酔的、麻薬的★2月27日(木)・王子ホール ●発売中問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990 http://www.ojihall.jp 静岡だけで行なわれる、東京混声合唱団(東混)の特別演奏会。指揮は、いま世界が注目するホープの山田和樹。現在、東混のレジデンシャル・コンダクターを務め、4月からは音楽監督に就任する、合唱のジャンルにも積極的な指揮者なのだ。 タイトルどおり、さまざまな日本の歌を集めたコンサートだが、一番の注目は、静岡音楽館AOIの委嘱作品で、英国の作曲家クリスティアン・メイソン(1984〜)の「枕草子」をテキストとする『Unseen Seasons』世界初演だろう。メイソンはブーレーズがルツェルン音楽祭のレジデント・コンポーザーに抜コーラスで愛でる日本の美静岡音楽館AOI 東京混声合唱団 「日本のうた」擢した若手。野平一郎が芸術監督を務めるAOIらしい目利きだ。その野平編曲の幻想編曲集『日本のうた』も演奏される。単なる愛唱歌集とは異なる、「日本語の歌」を素材にした独創的なコンポジション。他に、東混の十八番である武満徹の『SONGS』(抜粋)と柴田南雄「追分節考」も加わる、合唱ファン必聴のプログラムは、県外からも出かける価値大!文:宮本 明★2月8日(土)・静岡音楽館AOI ●発売中問 静岡音楽館AOI 054-251-2200 http://www.aoi.shizuoka-city.or.jp山田和樹クリスティアン・メイソン東京混声合唱団 “フランク・ペーター・ツィンマーマンを父にもつヴァイオリニスト”。音楽は血筋と環境が重要ゆえに、この点だけでも聴く価値はある。しかしドイツが誇る同楽器の名手の子セルゲ・ツィンマーマンは、「完全なる奇跡」とまで賞賛された逸材。期待度の高さは血筋レベルを超えている。1991年生まれの彼は、9歳でコンチェルト・デビュー。以来、バンベルク響、チェコ・フィルほか多数の著名楽団と共演し、コンセルトヘボウやウィーン・コンツェルトハウス等でリサイタルを行っている。日本にも2011年11月のN響定期でデビュー(指揮は奇遇にも優秀父の美点を継承し、新たな道を切り開くセルゲ・ツィンマーマン(ヴァイオリン)な息子をもつネーメ・ヤルヴィ)。今回はピアノに、若手との共演に長けた伊藤恵を得ての初リサイタルとなる。演目は、シューマン、ドビュッシーのソナタなどにベートーヴェン「クロイツェル」という王道本格もの。真価が露になるこの選曲には正統派たる自負が表れている。これまでに聴く彼の特徴は端正な美しさと繊細な表現。そして今回はさらなる“音楽力=個性”が示されるはず。それをぜひ知りたい。文:柴田克彦エスポワール スペシャル11 セルゲ・ツィンマーマン ★2月16日(日)・トッパンホール●発売中 問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 http://www.toppanhall.comセルゲ・ツィンマーマンⒸFranz Hammマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)ですらある。アコースティックに優れたインティメイトな空間だからこその希有な体験を、ぜひあなたも。文:藤本史昭

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