eぶらあぼ 2014.2月号
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178小澤征爾音楽塾2014 オペラ・プロジェクト歌劇《フィガロの結婚》★3月16日(日)15:00・よこすか芸術劇場、19日(水)18:30・愛知県芸術劇場、22日(土)15:00・びわ湖ホール、26日(水)18:30・東京文化会館小澤征爾音楽塾http://www.ongaku-juku.com ■フランス国立リヨン歌劇場来日公演記念 イベントが開催 今年7月にBunkamura(東京・渋谷)開館25周年記念として、フランス国立リヨン歌劇場来日公演が開催される。演目はオッフェンバック《ホフマン物語》、同劇場首席指揮者の大野和士が指揮を執る。これに先がけ昨年12月29日にBunkamuraオーチャードホールで記念イベント「大野和士が語る!『ホフマン物語』の魅力」と、大野和士を囲む記者懇親会が開かれた。 記念イベントでは、昨年同演目の東京二期会公演(ミシェル・プラッソン指揮)でホフマン役を演じ絶賛された樋口達哉らが出演、大野和士のピアノに伴われアリアの名場面を披露、大野も原作者E.T.A.ホフマンの“果てしないイマジネーション”について身振りをまじえながら《ホフマン物語》の魅力を熱く語った。 日本公演について大野は「今回の上演では『ケイ&ケック版(2005年新校訂版)』を使いますが、演出家のロラン・ペリーによる台詞改訂が加わるので『ペリー版』と言ってもいい。オペラに登場する主要な3人の女性、オランピア、アントニア、ジュリエッタ、そしてその3人を体現しているステッラの4役をパトリツィア・チョーフィさんが一人で演じ歌うのも本演出の特徴。これはオッフェンバックが意図していたものでもあります。オペラの始まり方も通常の楽譜にあるオーケストラ音楽からは始まらない。この作品はパッチワーク的な上演になりがちですが、全編にわたって演出家が考えた大きなひとつの流れとして、ボリュームのあるものとして作られています。このペリー版《ホフマン物語》は2005年に上演されてからすでに十数ヵ国を廻っている人気作。去■小澤征爾が音楽塾のオペラを5年ぶりに 指揮へ 小澤征爾がオペラを通じて若手音楽家を育成することを目的に、2000年から開始した小澤征爾音楽塾。14年には《フィガロの結婚》を上演する。音楽監督と指揮を務める小澤征爾らが昨年12月19日、東京文化会館で記者会見を行った。 今回上演される《フィガロの結婚》は、通常のオペラ上演とは異なり、「オペラ・ドラマティコ」と銘打たれている。演出家のデイヴィッド・ニースは、1980年以来小澤征爾とボストン交響楽団とのコラボレーションで今回と同様に「オペラ・ドラマティコ」の形式でオペラを上演してきた。また、小澤征爾音楽塾でも大半のオペラ演出を手がけており、いわば小澤にとっての盟友とも言える存在だ。 小澤はオペラ・ドラマティコ形式での上演について、タングルウッド音楽祭での経験をふまえ、「コンサート形式だけど、歌手はただ立って歌うだけでなく、芝居付きでやることで、観ているお客さんがオペラの筋がちゃんとわかって、音楽が一番近い状態で伝わる。我々がずっとその形で続けた結果、このやり方が世界的に流行した」と、その効果について自信をみせた。 今回の上演では、指揮をチェンバロ奏者でもあるテッド・テイラーと振り分ける。これについて小澤は、「デイヴィッド・ニースさんがうまい演出を考えてくれた。チェンバロの前にテッド・テイラーさんがいて、その横に僕も座ってて、彼がチェンバロ弾いたり指揮した後に僕が指揮したり、僕が指揮した後に彼が指揮したりと、まるで漫才でもしているみたいになる」と語り、笑いを誘っていた。Photo:M.Terashi/TokyoMDE大野和士/Photo:M.Terashi/TokyoMDE

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