eぶらあぼ 2014.1月号
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56東京公演★2014年1月21日(火)・東京オペラシティ リサイタルホール問 東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999http://www.operacity.jp大阪公演★2014年1月17日(金)・大阪/ザ・フェニックスホール問 大阪アーティスト協会チケットセンター050-5510-9645http://phoenixhall.jp/ ●発売中 彼の演奏は本当に表情豊かだ。それはトロンボーンの概念を超えている。そんな彼=藤原功次郎が、東京オペラシティ名物《B→C》の2014年幕開けを飾る。1985年生まれの藤原は、東京芸大を首席卒業後、教員を経て2009年日本フィルに入団し、翌年首席奏者となった。12年に多彩な響きを介した、好漢の“祈り”東京オペラシティ Bビー・トゥー・シー→C 藤原功次郎(トロンボーン)は木管・金管奏者が共に挑むインタームジカ国際ソロイストコンクール(オーストリア)で優勝。欧州各地の楽団やベルリン・フィルのアカデミー団員等が集う中での快挙だった。13年にはウィーン響の日本ツアーで急遽首席奏者を務めた。 「トロンボーンは祈りと関係が深い」と彼は言う。今回のプログラムはその“祈り”がテーマだ。「教員時代にミサでオルガンを奏で歌った」バッハの3作品に続くのは、「メチャクチャ大好き」な現代音楽。9.11の同時多発テロに因むイウェイゼンの作品、デュティユーの聖歌、「さくらさくら」に基づくドムローズ「サクラ」、「初めて買ったソロの楽譜」である池辺晋一郎「ストラータⅥ」、2014年NHK大河ドラマの音楽を担当する菅野祐悟への委嘱新作「Cosmic Note」、そして前記のコンクール優勝時に演奏した、同楽器の魅力満載のアッペルモント「カラーズ」等々、興味深い楽曲が並ぶ。 彼はトロンボーンの魅力を、「パワーを秘めていて、吹く人も聴く人も元気になれる。不器用さ、温かさ、お茶目さ、優しさ、強さ…まさに人間らしさを感じる楽器。トロンボーンに興味のない人でも触れてみてほしい」と語る。“祈り”は、先の大震災、そして大阪公演(阪神・淡路大震災の日に行う)に向けたものでもある。広く一般の聴衆にぜひ聴いて欲しい公演だ。文:柴田克彦 名門ウィーン・フィル“不動”の首席クラリネット奏者として君臨した父エルンスト・オッテンザマー。父に続いてウィーン・フィル首席を務める長男ダニエル。そして、2011年春にやはり名門ベルリン・フィルの首席に弱冠22歳で就任し話題をさらった次男アンドレアス。音楽の街ウィーンに根差す名家の血脈を受け継ぐ3人が結成したアンサンブル「クラリノッティ」が、音楽の愉しさと奥深さを日本の聴衆に伝えてくれる。 2005年に結成された「クラリノッティ」は、地元ウィーンなどオーストリア国内はもちろん、欧米や日本でもツアーを敢行。名手でなければ成し得ないレパートリーと、親子ならではの息の合った熱演で、聴衆を魅了し続けている。自分たちの特徴について、アンドレアスは「色々な時代や違ったスタイルの音楽に適応する能力を持つのが、クラリネットの美点。特にウィーンには、その奏法と音色に関して、独自“名門一家”の極上サウンドクラリノッティ(クラリネット・アンサンブル)の長い伝統がある。温かく広がりのある音色はとても特徴的で、人間の声に近い」と説明する。 今回の来日ステージでは、ピアノの柴田典子が共演。メンデルスゾーンの「2本のクラリネットとピアノのための演奏会用小品」などクラリネットのための作品はもちろん、元はフルート作品のドップラー「リゴレット・ファンタジー」や、ポンキエッリの歌劇「イル・コンヴェーニョ」から名旋律を引用するなどの編曲作品、さらに彼らのために書かれたオリジナル作品まで多彩に披露し、美音と妙技を堪能させてくれる。文:笹田和人★2014年2月5日(水)・トッパンホール●発売中問 プロアルテムジケ 03-3943-6677http://www.proarte.co.jpPhoto:Nancy Horowitz
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