eぶらあぼ 2014.1月号
56/181

53★2014年3月7日(金)15:00 19:30・Hakuju Hall ●発売中問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp 演奏家としての足場が固まる30代半ばという年齢を迎え、コンサート活動だけでなく後進の指導にも精力的にあたるなど、充実した活動を続けるピアニストの菊地裕介。高校卒業とともにヨーロッパに留学、パリやハノーファーで名教師のもと学びながら、数々の国際コンクールで輝かしい実績を残す20代を過ごした。帰国後のクリエイティブな演奏活動は注目を集め、今や日本ピアノ界の期待を背負う存在だ。 今回は、ムソルグスキー「展覧会の絵」をメインに据えたリサイタルを行う。明確な主張を持つ菊地のピアノが、リゲティのエチュードに注目!菊地裕介(ピアノ)奏者の解釈をくっきりと反映するこの作品をどのように表現するのだろうか。その他、ベートーヴェンのソナタ第17番「テンペスト」、フォーレのノクターンに加え、ここ数年積極的にレパートリーに取り入れているリゲティのエチュードも演奏。高い演奏技術だけでなく、音楽の構造に対する深い理解が要されるこの作品は、生で聴ける機会が少ない。実力派菊地の演奏で、ぜひ聴いておきたい。文:高坂はる香★2014年2月8日(土)・フィリアホール ●発売中問 アルペンミュージックオフィス03-6868-7292http://www.alpenmusic.com/ⒸYukio Kojimaマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) ミュンヘン国際コンクールで第3位入賞後もヨーロッパで研鑽を重ね、2012年に帰国。満を持して本格的な活動に入ったウェールズ弦楽四重奏団。東京クヮルテットを受け継ぐ新世代の若手として注目を集めている。そんな彼らがこの度、Hakuju Hallの新たなレジデント・アーティストに就任。持ち前の研ぎ澄まされた実力を披露すべく、3回シリーズの公演を行う。第1回は、ハイドンの第75番、ウェーベルンの「6つのバガデル」、ベートーヴェンの第16番という時代も様式も多様な3曲を演奏。ハイドン「かくあるべき」名演に期待Hakuju Hall ワンダフル one アワー 第8回 ウェールズ弦楽四重奏団の巧みな筆致とユーモア、6曲で僅か数分の演奏時間に技巧の粋を尽くしたウェーベルン、そしてベートーヴェンが最後の弦楽四重奏曲に込めた万感の思い。それらを整然と弾き分けてみせるに違いない。ちなみに、ベートーヴェンは本作の自筆譜の最終楽章の導入部に「かくあらねばならぬか」と記し、第1主題に「かくあるべし」と添えている。まさに「かくあるべき」名演を期待しよう。文:渡辺謙太郎ⒸSatoshi Oono 国立音大を経てパリのエコール・ノルマル音楽院に学び、名匠フランス・クリダの薫陶を受けたピアニストの細川夏子。在学中には歌曲伴奏法を修めて表現の幅を広げる一方、国際コンクールで入賞を重ねた。同音楽院を首席で卒業後は、声楽との共演を含め、国内外での精力的かつ独自の演奏活動を続けている。今回は、彼女が深いこだわりを持つ、スペインの作曲家を特集。アルベニスの「スペイン組曲」「スペイン歌曲集」より数曲と、グラナドス作品は「スペイン舞曲集」(抜粋)など。そして「恋は魔スペインの粋を集めて細川夏子(ピアノ)術師」より〈火祭りの踊り〉〈鬼火の歌〉〈パントマイム〉、「三角帽子」より〈夜〉〈粉屋の踊り〉に、名品「ファンタジー・ベティカ」を加えたファリャの作品を弾く。いずれも民俗音楽に根差し、19世紀末〜20世紀初めの同時代にありつつも、微妙に色彩感を異とする3者。細川は雰囲気の違いを巧みに掬い取り、弾き分けていく。文:笹田和人★2014年2月20日(木)・東京オペラシティリサイタルホール ●発売中問 日本演奏連盟03-3539-5131http://www.jfm.or.jp

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です