eぶらあぼ 2014.1月号
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51レ・フレール★2014年3月5日(水) 山形由美★2014年3月7日(金) 会場:トッパンホール ●発売中問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222http://www.toppanhall.com 創業以来、印刷を通じて情報や文化の普及・発展に力を注いできた凸版印刷は、2008年から、途上国での識字能力向上を支援するチャリティーコンサートを開催。収益はユネスコ・アジア文化センターに寄付され、カンボジアでの識字教育事業を成功に導くなど、着実に成果を挙げている。7回目の今回は、異色のピアノ・デュオ「Les Frères(レ・フレール)」と、人気フルーティストの山形由美による、2つの魅力あるステージが開かれる。 フランス語で“兄弟”を意味する「レ・フレール」は、斎藤守也・圭土兄弟により、2002年に結成された。共に作曲もこなし、オリジナル楽曲の制作とライヴ活動を両輪に、4手でしか成し得ない“キャトルマンスタイル”という独自の世界を確立。情熱的で感動的な演奏で世界中の聴衆を魅了し、他の何物でもない「レ・フレール」というジャンルを創造し続けている。今回のステージでは、圭土作曲の「空へ」や守也の手音楽でアジアの識字教育に貢献第7回 トッパン チャリティーコンサートになる「Ocean」など、オリジナル作品を中心に、たっぷりと披露する。 そして、英国留学を経ての鮮烈なデビュー以来、トップ・フルーティストとしてのステージ活動はもちろん、タレントとしてテレビやラジオでも活躍し、そのマルチな才能が煌めく山形由美。今回のステージでは、実力派チェンバリストの水永牧子をパートナーに、バッハやクープランなどバロックからモーツァルト、さらには日本の旋律や映画『スティング』でお馴染みの「エンターティナー」などラグタイムまで、彩り豊かに聴かせる。文:笹田和人レ・フレール山形由美Ⓒ岡本卓也水永牧子Ⓒ西田 航 映像とともに音楽の奥深い世界を堪能させてくれる樂画会(がくがかい)のイベント。来る2月には音楽映画を鑑賞後、生演奏のコンサートが楽しめる大人気の《シネマ&リサイタル・シリーズ》が横浜みなとみらいホール(小)で開かれる。今回のテーマは「未完成交響楽」。 第1部は1933年公開のオーストリア・ドイツ映画『未完成交響楽』(88分)が上映される。この映画は日本で1935年に公開され、シューベルトと「未完成交響曲」の名を戦前の日本人の間に知らしめることとなった作品。物語はシューベルトと貴族の令嬢との恋を描いたフィクションであるが、音楽はウィーン・フィルが担当し、ウィーン少年合唱団が初めて銀幕に姿を現した映画というのだから、当時かなり気合いを入れて制作された作品に違いない。『サウンド・オブ・ミュージック』など、後世の音楽映画にも大映像と演奏で作曲家の人生に迫る 「未完成交響楽」シネマ&リサイタル近藤嘉宏 plays シューベルト・ベートーヴェンきな影響を与えたと言われている。監督はヴィリ・フォルスト。 第2部のリサイタルは、作品への誠実な解釈と端正な演奏で人気を集めるピアニスト、近藤嘉宏が登場する。シューベルトの作品からは、わずか31年の生涯を閉じる前年に書かれた有名な「4つの即興曲op.90」(全曲)、および近藤が近年もっとも精力的に取り組むベートーヴェンの作品からピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」が演奏される予定。映像と生演奏による特別なひと時を楽しみたい。文:飯田有抄★2014年2月1日(土)・横浜みなとみらいホール(小) ●発売中問 樂画会チケットデスク03-3498-2508 http://gakugakai.com近藤嘉宏映画『未完成交響楽』ポスター

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