eぶらあぼ 2014.1月号
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42第617回 定期演奏会 ★2014年2月9日(日)・サントリーホール ●発売中問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511http://tokyosymphony.jp第208回サンデーコンサート ★2014年1月12日(日)・東京芸術劇場 ●発売中問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911 http://www.japanphil.or.jp 新春を華やかに彩るニューイヤーコンサート。ウィーン流のワルツとポルカを中心としたプログラムもあれば、独自路線の工夫を凝らした選曲もあって、オーケストラによってそのスタイルは様々だ。 日本フィルの『ニューイヤーコンサート2014』は“ハイブリッド型”ニューイヤーとでも言うべきか。モーツァルトの《フィガロの結婚》序曲で幕を開け、シベリウスのヴァイオリン協奏曲が演奏され、「芸術家の生涯」「トリッチ・トラッチ・ポルカ」「美しく青きドナウ」他のシュトラウス・ファミリーの名曲へと続く。ウィンナ・ワルツも聴きたいけれど、そればかりでは少々飽きてしまうという方にはぴったりのプログラムだ。 シベリウスで独奏を務めるのは同楽団ソロ・コンサートマスターの木野雅之。デビュー30周年を記念して、本人がこの曲を選んだという。名手による渾身のソロに期待が高まる。 指揮は阪哲朗。2009/10シーズコンチェルトも入った豪華メニュー日本フィルハーモニー交響楽団 ニューイヤーコンサート 2014ンよりドイツのレーゲンスブルク歌劇場で音楽総監督を務めている。ウィーン・フォルクスオーパーをはじめ、ドイツ語圏の歌劇場で経験を積みあげてきた、日本人には数少ない現場の叩き上げタイプの実力者だ。その阪によるシュトラウス・ファミリーの音楽という点でも興味をひかれる。オーケストラとの対話性に富んだ、洒脱で生気あふれるワルツとポルカを披露してくれるのではないだろうか。文:飯尾洋一阪 哲朗木野雅之ⒸKazuya Akashi 東京交響楽団2月の定期演奏会は正指揮者・飯森範親が登場し、この人らしい爽快なプログラムを披露する。まだ寒さも厳しい時期だが、春の訪れ、新しい生命の息吹を先取りした雰囲気が楽しめそうだ。 なんといってもドイツ20世紀の巨匠カール・オルフの代表作「カルミナ・ブラーナ」の、総力を結集した上演に注目したい。この曲、南ドイツの修道院で発見された古い歌の写本を元にしているが、酒や男女の愛の交歓を描写した歌詞に潜む力強い生命力が、オルフならではの単純かつパワフルな筆致によって高らかに歌い上げられる。半田美和子(ソプラノ)、高橋淳(テノール)、与那城敬(バリトン)といった実力派の歌唱陣に加え、同団のコンサートには欠かせない東響コーラス、さらには横須賀芸術劇場少年少女合唱団も加わり、運命の車輪の回転によってめぐってくる春の喜びを表現する。同じ音型や和声の反復力強い生命力を謳歌する飯森範親(指揮) 東京交響楽団は荒削りな原始性をたたえているが、パンチを効かせつつフレッシュに運んでくれそうだ。 祝祭的な明るさとにぎやかさでは、前半のモーツァルトの2曲も引けをとらない。《フィガロの結婚》の初夜権を巡るどたばた騒ぎは、「カルミナ・ブラーナ」で歌われる男女の喜びにあい通じる。その序曲に続いて演奏される交響曲第38番「プラハ」も、《フィガロ》の成功がもたらしたプラハ訪問の際に書かれ、明るく快活、相性がいい選曲だ。東響がスダーンと行っているモーツァルト・マチネも評判がよいが、爽やかな音楽を聴かせる飯森のリードも楽しみだ。文:江藤光紀飯森範親高橋 淳半田美和子与那城 敬ⒸKei Uesugi
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