eぶらあぼ 2014.1月号
39/181

36第6回読響メトロポリタン・シリーズ★2014年2月27日(木)・東京芸術劇場第568回サントリーホール名曲シリーズ★2月28日(金)・サントリーホール●発売中問 読響チケットセンター0570-00-4390http://yomikyo.or.jp/マークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) コンサートの曲目に一貫したテーマが掲げられていると、公演に対する興味がいっそう増す。しかし、まさかこんな手があったとは。 躍進する俊英指揮者、山田和樹が読売日本交響楽団と組んだプログラムは「英雄」プロ。ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」とR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」という、いわゆるメインプログラムが2曲並ぶ重量感ある組合せだ。 ナポレオンへの献辞を紙に穴を開けんばかりの激しい筆致で打ち消したベートーヴェンの「英雄」と、この先人の傑作へのオマージュ的性格を持つ豪華絢爛なシュトラウスの「英雄の生涯」。ともに変ホ長調で書かれる。前者は3本の勇壮なホルンと当時としては異例の長大さによって、後者は四管編成による100人超の大オーケストラによって、広大無辺な楽想を実現する。ベートーヴェン作品は1804年の作曲。一方、R.シュトラウス作品ベートーヴェンとR.シュトラウス、二人の英雄山田和樹(指揮) 読売日本交響楽団は1898年の作曲。19世紀の始まりと終わりを告げる二人の英雄が並んだとも見てとれるだろう。 山田和樹と読響の久々の共演という点でも興味深い。スイス・ロマンド管弦楽団首席客演指揮者、日本フィル正指揮者他のタイトルを持つ山田和樹だが、先頃2014年9月よりモンテカルロ・フィル首席客演指揮者就任が発表され、ますますその活動の幅を広げることに。読響の重厚かつ柔軟性に富んだサウンドをどう活かしてくれるだろうか。「英雄の生涯」ではコンサートマスター日下紗矢子のソロも聴きものとなる。文:飯尾洋一山田和樹Ⓒ読響(撮影:青柳 聡)読売日本交響楽団Ⓒ読響 新春は豪華なオーケストラを聴きたい、演目はなじみの名曲がいい、ウィンナ・ワルツも他も色々耳にしたい、懐かしい曲やタイムリーな曲も欲しい、話題のソリストがいるとさらに愉しい、行ってラッキーなことがあれば最高に嬉しい…と並べた贅沢な要望をすべて満たす公演、それが東京フィル&Bunkamuraの《ニューイヤーコンサート》だ。 毎年完売のこの人気公演。2014年は、83歳を迎える重鎮・外山雄三が指揮をとる。ならばそこは“大船”気分。ソリストは、ハンガリーの血を引き、鋭敏なリズムと雄弁な表現を武器に活躍中の金子三勇士(ピアノ)、8歳でオーケストラと共演後、欧州でも演奏し、ノボシヴィルスク国際ヴァイオリン・コンクールで史上最年少優勝を果たした、現在14歳の服部百音(もね)の2人。注目の若手と外山の、世代を超えた共演も見どころだ。 プログラム前半は、吉例のJ.シュトラウスの名作2曲に始まり、服部が超お正月は渋谷で華やかに!東京フィルハーモニー交響楽団&Bunkamura ニューイヤーコンサート 2014絶技巧のソロを弾く「『カルメン』幻想曲」を経て、ソーラン節や八木節等の民謡を満載した外山雄三の代名詞「管弦楽のためのラプソディ」へ。後半は、半世紀前の「東京オリンピック・マーチ」に次いで、浅田真央が今期のフリー演技で使用するラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の精髄を金子が奏で、懐かしい「ダニー・ボーイ」の後、おなじみ「ボレロ」で華麗に締めくくる。 海外往復航空券や東京フィルの「ラデツキー行進曲」を“指揮できる”特典など、豪華賞品が当たるお年玉抽選会も恒例の目玉だし、休憩中には獅子舞も現れる。いかにもお正月らしい本公演にぜひどうぞ。文:柴田克彦★2014年1月2日(木)、3日(金)・Bunkamuraオーチャードホール●発売中問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522  Bunkamuraチケットセンター03-3477-9999 http://www.tpo.or.jp外山雄三ⒸS.Yamamoto金子三勇士Photo:K Miura服部百音

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です