eぶらあぼ 2014.1月号
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1703〔紙幅の関係で省略した劇場やオーケストラがあります。ご容赦下さい。〕〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場3月3、6、9日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/G.ガルシア・カルヴォ、演出/O.シェンク、出/N.マチャイゼ、C.カストロノーヴォ3月4、8、12日 チレーア:アドリアーナ・ルクヴルール[14年2月プレミエ] 指/E.ピド、演出/D.マクヴィカー、出/E.ツィトコヴァ、M.ジョルダーノ、A.ゲオルギュー3月7、10、14日 チャイコフスキー:エフゲニー・オネーギン 指/P.ランゲ、演出/F.リヒター、出/D.アリエヴァ、R.ヴィリャソン3月13、15日 プッチーニ:トスカ 指/S.ゾルテス、演出/M.ヴァルマン、出/N.ファンティーニ、F.シュトルックマン3月19、22、26、29日 プッチーニ:ラ・ボエーム指/F.ウェルザー=メスト、演出/F.ゼッフィレッリ、出/R.ヴァルガス3月23、27、30(16:00)日 ベルク:ヴォツェック指/D.ガッティ、演出/A.ドレーゼン、出/M.ゲルネ、E.ヘルリツィウス3月25日 D.ホロストフスキーBr3月31日 ロッシーニ:セビリャの理髪師 指/S.ゾルテス、演出/G.レンネルト、補訂演出/R.ブレチャッハー、出/A.シラグーザ、A.シュラメク、M.グリツコヴァウィーン・フォルクスオーパー3月1、7、10、15日 ビゼー:カルメン 演出/G.ヨーステン3月2(16:30)、17、18日 C.ポーター:キス・ミー、ケイト 演出/B.モットル3月3、9(18:00)、11、20日 ブリテン:アルバート・ヘリング[14年2月プレミエ] 演出/B.ファスベンダー3月4、8、12、16(18:00)、23(18:00)日 プッチーニ:トゥーランドット[14年2月プレミエ]演出/R.ドゥセ3月14、27日 ヨハン・シュトラウス:こうもり 新校訂演出/H.ツェドニク3月21、24、28日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナー★◎3月22、25、30(16:30)日 カールマン:マリッツァ伯爵夫人[プレミエ] 演出/T.エンツィンガー3月29日 ヴェルディ:椿姫 演出/H.グラッツァーアン・デア・ウィーン劇場◎3月6、8日 モーツァルト:フィガロの結婚(演奏会形式) 指/N.アーノンクール、出/C.ゲルハーヘル、C.シェーファー、M.エリクスメン、A.シューエン、I.ライモンディ、演奏/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス◎3月17、19日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ(演奏会形式) 指/N.アーノンクール、出/A.シューエン、C.シェーファー、K.ドラゴエヴィチ、R.ドローレ、M.エリクスメン、演奏/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス◎3月27、29日 モーツァルト:コジ・ファン・トゥッテ(演奏会形式) 指/N.アーノンクール、出/M.エリクスメン、K.ドラゴエヴィチ、A.シューエン、E.クルマン、M.ウェルバ、演奏/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス◎3月28日 J.ミスリヴェチェク:オリンピーアデ(演奏会形式) 指/V.ルクス、出/J.チャム、S.サトゥロヴァ、R.ミラネジ、T.N.ゴルトシュタイン、演奏/コレギウム1704ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(CM)=セーゲルスタム・ホール[セーゲルスタム芸術センター](コスタメサ/アメリカ)、(SB)=アーリントン劇場(サンタバーバラ/アメリカ)、(B)=ゼラーバック・オーディトリウム(バークレー/アメリカ)、(RP)=グリーン・ミュージック・センター[ソノマ州立大学](ロアート・パーク/アメリカ)、(NY)=カーネギーホール(ニューヨーク)、(L)=ブルックハーハウス(リンツ)、(BP)=ベラ・バルトーク・コンサートホール[芸術宮殿](ブダペスト)]3月3(CM)、5(SB)、15(NY)日 D.ガッティ指揮 シューベルト:交響曲第7番「未完成」、マーラー:交響曲第4番 独/J.バンゼS3月8(B)、11(RP)、13(NY)日 A.ネルソンス指揮 ハイドン:交響曲第90番、ブラームス:交響曲第3番、ハイドンの主題による変奏曲3月9(15:00)(B)、20(L)日 F.ウェルザー・メスト指揮 モーツァルト:交響曲第28番、J.M.シュタウト:On Comparative Meteorology、ブルックナー:交響曲第6番3月16(NY)日 Z.メータ指揮 ニコライ:ウィンザーの陽気な女房たち〜序曲、ウェーベルン:管弦楽のための6つの小品、ニコライ:ウィンザーの陽気な女房たち〜月の出の合唱、ヴォルフ:炎の騎士、モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス、フランツ・シュミット:ノートル・ダム〜間奏曲、T.ベルガー:オイゲン王子の伝説、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲、クライスラー:美しきロスマリン、ヨゼフ・シュトラウス:うわごと(ワルツ)、E.シュトラウス:テープは切られた!(シュネル・ポルカ)、ヨハン・シュトラウスⅡ世:春の声(ワルツ/独唱付)、ランナー:シュタイアー風舞曲、レハール:ジュディッタ〜アリア、ヨハン・シュトラウスⅡ世:こうもり〜チャールダーシュ、ヘルメスベルガー:小さな広告(ギャロップ) 独/D.ダムラウS、G.シャハムvn3月28(BP)、29(15:30)、30(11:00)、31(19:30)日 Z.メータ指揮 ブラームス:悲劇的序曲、シェーンベルク:室【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 3月の注目公演。やはりその筆頭は、演奏会形式ながら、アーノンクールがアン・デア・ウィーン劇場で手兵のウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを率いて連続上演する、モーツァルトのダ・ポンテ3部作(フィガロの結婚、ドン・ジョヴァンニ、コジ・ファン・トゥッテ)ではなかろうか。演出が付かないのは残念だが、年々活動範囲を狭め、10月のロイヤル・コンセルトヘボウ管への客演が、事実上、他団体への最後のご奉公だともいわれているアーノンクールの現況を鑑みると、ひと月のうちに、一挙にモーツァルトのオペラを3作も演奏するという驚きの場面に接する機会は、もうこの先おとずれまい。しかも、キャストがまた揃っている。特に、フィガロでは伯爵夫人(もはやケルビーノではない!)、ドン・ジョヴァンニではドンナ・アンナを歌うクリスティーネ・シェーファーを始めとして、ゲルハーヘル、エリクスメン、シューエン、ドラゴエヴィチなど、まさに今、旬をいく勢いある歌手が脇を固め、アーノンクールの大舞台に相応しい活気を呈している。おそらくCD録りは行うのだろうが、しかし、ちょっと無理をしても、可能ならば、これは生で是非聴いておきたい公演だ。 オペラでもう一つ、独OPERNWELT誌で2013年の演出家オブ・ザ・イヤーに選出され、俄然注目を浴びることとなったタチアナ・ギュルバカの演出する、チューリッヒ歌劇場の「アイーダ」プレミエが要注目公演。なお、このギュルバカの選出対象作品がベルギー・フランダース・オペラのワーグナー「パルジファル」だったこともあり、今月号から新たにこのオペラ・ハウスの予定も掲載することとした(〔Ⅶ〕ベネルクスの項)。フランダース・オペラの3月の演目は、アルベルト・ゼッダ(または園田隆一郎)指揮するロッシーニの「オテロ」と、ビエイト演出のショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」。なるほどマニアの心を誘う出し物だ。その他のオペラでは、ドレスデン・ゼンパーオーパーの「コジ・ファン・トゥッテ」、エッセン歌劇場のベッリーニ「異国の女」あたりも演出的に面白そう。指揮者としては、「ばらの騎士」と「ボリス・ゴドゥノフ」を振るバイエルン州立歌劇場のキリル・ペトレンコ、スカラ座でリムスキー=コルサコフ「皇帝の花嫁」を上演するバレンボイム、パリ・オペラ・コミークでラモー「プラテ」を振るクリスティなどに注目。英国ロイヤルオペラでは、グート演出のR.シュトラウス「影のない女」に皇帝役でヨハン・ボータが出演する。堂々たる美声を聴かせてくれるに違いない。一方、現代オペラでは、「ライン・ゴールド」をもじったN.シュテーマンの「純金」(ベルリン州立歌劇場)、シュトゥットガルト歌劇場でカンブルランが振るM.アンドレの「ヴンダーツァイヒェン」、モネ劇場のP.ブースマンス「世界に(Au monde)」など、何だか意味深長(?)なタイトルのプレミエ作品が並ぶ。 オーケストラでは、ピアノのグリモーとヴァイオリンのムターを独奏者としてヨーロッパツアーを行うネルソンス指揮のバーミンガム市響、ミュンヘン・フィルでR.シュトラウス・ツィクルスを進行中のマゼール、ウィーン・ホーフムジークカペレやウェーベルン響を振るウェルザー=メスト、モントリオール響を率いてヨーロッパ・ツアー中のケント・ナガノ、アイヴズのピアノ・ソナタからの編曲作品をプログラムに据えたティルソン・トーマス指揮のサンフランシスコ響、フルシャやツァグロゼクの登場するケルンWDR響、大野和士の振るフィレンツェ5月音楽祭管(2月)やリヨン国立歌劇場管など多士済々。ラトル=ベルリン・フィルの「ヨハネ受難曲」やミンコフスキ指揮する「ロ短調ミサ」(ウィーンのコンツェルトハウス)など、復活祭前の注目すべきバッハ公演もある。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)Webぶらあぼでは数ヶ月分ご覧いただけます。2014年3月の主要オペラハウス&オケ3

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