eぶらあぼ 2014.1月号
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169国家と音楽家中川右介 著七つ森書館 ¥2,940ヒトラーに翻弄されたフルトヴェングラーとカラヤン、ムッソリーニに抵抗したトスカニーニ、スターリンに死の寸前まで追い詰められたショスタコーヴィチ―20世紀という戦争と革命の時代、音楽家はいかに国家と対峙したのか。音楽史に刻まれている大音楽家たちが政治に深く関わっていたという事実を、彼らの言動とともに如実に伝える。10〜12月の新刊から(価格はすべて税込)交響的一撃野口力のティンパニ50年野口 力 著 近藤滋郎 編 中央アート出版社 ¥2,100幼少期にオーケストラ音楽に魅了された野口力が、ティンパニ奏者として歩んだ50年を振り返る。影響を受けた先生たちや経験を積んだオーケストラの現場、アマチュア・オーケストラでの打楽器トレーナー時代、そしてこれからの打楽器教育についてなど、日本を代表する名奏者が語り尽くす、打楽器奏者としてのあゆみ。一冊まるごとヴァイオリンその歴史と美、製作と保全アルバート・チョンピン・チュワン 著田中良司 訳芸術現代社 ¥2,1002005年に台湾で出版され、新たな装丁で2008年に再版された「提琴的秘密」の日本語訳。ヴァイオリン製作家である著者は、ヴァイオリンの歴史とその時代環境や進化、また専門的に工芸についても説明する。重宝される写真資料も含む、ヴァイオリンについての貴重な書物。至高の音楽 クラシック 永遠の名曲(CD付)百田尚樹 著PHP研究所 ¥1,89019歳でクラシック音楽に目覚めて以来、ほぼ毎日クラシック音楽を聴いている小説家、百田尚樹。「文学は音楽に敵わない」と思わずにはいられない瞬間があるという彼が選んだ有名曲から、自身の作品を執筆中に聴いていた曲など、計26曲を熱く語る。選りすぐりの「聴きどころ」だけを集めた「最高に贅沢な一枚」と断言するCD付き。シリーズ音楽はともだち山田和樹とオーケストラのとびらをひらく山田和樹/松本伸二 著企画協力 公益財団法人 日本フィルハーモニー交響楽団アリス館 ¥1,785日本フィルの正指揮者、山田和樹が案内するオーケストラの世界。オーケストラの歴史から、使われる楽器、並び方、編成、指揮者についてなど、読みやすい文章とイラスト、写真を用いて分かりやすく説明する。子どもも楽しく読める1冊。カルロス・クライバー (KAWADE夢ムック 文藝別冊)孤高不滅の指揮者河出書房新社 編河出書房新社 ¥1,260指揮者カルロス・クライバーのすべてを詰め込んだ永久保存版。木之下晃撮影の写真からはじまり、インタビューや対談で著名人たちがカルロス・クライバーについて語る。また、生涯インタビューを嫌っていた彼の人となりを伝える貴重な「証言集」や、クライバー全演奏記録を掲載するなど、読み応えのある1冊。プーランクを探して音楽と人生と久野 麗 著春秋社 ¥3,67520世紀初頭から約半世紀にわたってオペラ、バレエ音楽、鍵盤楽器のための協奏曲、管楽器中心の室内楽、声楽曲、ピアノ曲など多様な音楽を創り続けたプーランク。絢爛たる文化都市パリで華々しい才能の持ち主たちと交流を持ち、自身の才能も開花させたプーランクの生涯と全作品をたどる本格評伝。名曲のたのしみ、吉田秀和第5巻 モーツァルト〜作曲家たち吉田秀和 著 西川彰一 編学研パブリッシング ¥3,360音楽評論家、吉田秀和が40年以上にわたり解説をつとめ、多くのクラシック・ファンを育てたNHK-FM「名曲のたのしみ」。ジャンル別に番組をセレクトし書籍化する。いよいよ完結となる第5巻は、吉田秀和の音楽評論の原点ともいうべき「モーツァルト編」。前4巻同様、吉田の語りを抜粋して収録したCD付き。
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