eぶらあぼ 2014.1月号
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ぴっくあっぷ154 日本を代表するギターの名匠・福田進一によるバッハ作品集。第3弾も無伴奏作品を中心に収録した。「バッハの作品は、どんな楽器で、どのように弾いても、紛れもなくバッハ」と再認識させる一方、透明感ある音色と奥行きのある音楽性により、名曲が新たな翼を得る。福田自身による編曲は巧み。ヴァイオリンやチェロでは“暗示”にとどまるような和声も、ギターの強みであえてリアライズ、風通しの良い音楽創りに。チェロ組曲第4番では原曲の変ホ長調から変イ長調に移調することで、原曲では荘重な趣きを持つプレリュードが軽やかな飛翔感を纏うなど、別の次元へと一歩を踏み出す。(寺西 肇)G線上のアリア〜J.S.バッハ作品集3/福田進一J.S.バッハ(福田進一編):◎パルティータ ホ長調(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番) ◎組曲 変イ長調(無伴奏チェロ組曲第4番) ◎ソナタ イ短調(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番) ◎G線上のアリア福田進一(ギター) ユジャ・ワンがドゥダメル指揮シモン・ボリバル交響楽団とカラカスで共演と聞けば、確実に何かが起こりそうな予感がする。その期待通り、アルバムには南米の地で若い音楽家達のエネルギーが強烈に反応し合った瞬間が収録されている。ラフマニノフの協奏曲第3番は、アグレッシブな魂とロマンティックな歌心がせめぎ合う、圧倒的なスケールの演奏。プロコフィエフの協奏曲第2番では、多彩なタッチとともにワンの中でたぎる音楽が溢れ出し、それにドゥダメル率いるオーケストラが見事に応酬する。このステージが両者の幸せな会遇であったことがひしひしと伝わってくるライヴ録音。(高坂はる香)ラフマニノフ&プロコフィエフ:ピアノ協奏曲集/ユジャ・ワン&ドゥダメル◎ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ◎プロコフィエフ:同第2番ユジャ・ワン(ピアノ)グスターボ・ドゥダメル(指揮)シモン・ボリバル交響楽団 亡き妻の想い出に浸るパウル。新たに愛したのは妻と瓜二つのマリエッタだが、本当は記憶に囚われたままなのだ。幻を追いかけては現実に裏切られるこの痛ましい男を演じるに、フォークト以上のはまり役はいない。そのフィット感はもしかするとローエングリン以上かもしれない。ピュアな美声が切ない物語に深い悲哀をもたらし、天のマリーの声と対話する場面など、涙なしには見られない。マリエッタ演じるニルンドの目力、七色に変化する音楽(ミッコ・フランク指揮)も見もの。妄念から解放され想い出の部屋を立ち去るラストでは、コルンゴルトの甘いメロディーが慰めと希望を奏でる。(江藤光紀)コルンゴルト:歌劇《死の都》 フィンランド国立歌劇場 2010◎コルンゴルト:歌劇《死の都》ミッコ・フランク(指揮)フィンランド国立歌劇場管弦楽団クラウス・フローリアン・フォークト(パウル)カミッラ・ニルンド(マリエッタ/マリーの声)マルクス・アイヒェ(フランク/フリッツ) 他 井上にとっては、1990〜98年シェフを務めた京響との久々の録音にして、2002年新日本フィルとの7番以来2枚目のブルックナー。これが実に立派な演奏だ。彼は、昨今(特に海外指揮者に)多いテンポを揺らしたメリハリ型の表現を避け、自然なテンポ感と重厚なサウンドを保持しながら、悠揚迫らぬ演奏で殿堂を築き上げる。神々しさも漂い、井上らしい熱気にも事欠かない。これには充実顕著と評判の京響、中でも金管勢の健闘が大いに貢献している。来期から朝比奈ゆかりの大阪フィルのシェフに就任するタイミングで、奇しくもこの名演。今後の展開が楽しみだ。(柴田克彦)ブルックナー:交響曲第8番/井上道義&京響◎ブルックナー:交響曲第8番(ノヴァーク第2稿1890年版)井上道義(指揮)京都市交響楽団収録:2013年2月,9月、横浜みなとみらいホールマイスター・ミュージックMM-2168 ¥2957収録:2013年2月、カラカス(ライヴ)ユニバーサルミュージックUCCG-1646 ¥2940収録:2010年11月、ヘルシンキ、フィンランド国立歌劇場(ライヴ)日本コロムビア OA1121D (OPUS-10257/8)(2枚組)輸入盤(日本語字幕付)/¥オープン収録:2013年5月、京都コンサートホールオクタヴィア・レコードOVCL-00521(2枚組) ¥3675DVDCDCDCD

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