eぶらあぼ 2013.12月号
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82【CD】『MAO FUJITA』ナクソス・ジャパン NYCC-10001 ¥262511月27日(水)発売 14歳の新星、現る。今年8月ウィーンで行われたロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクールで第1位に輝き、併せてワーグナー・ヴェルディ賞を受賞した藤田真央は、現在埼玉県のコロンビアインターナショナルスクールに通う中学3年生。藤田の実力は、2009年の日本クラシック音楽コンクール、10年の全日本学生音楽コンクールでの優勝、才能ある子ども奏者がソリストに選ばれる東京交響楽団の「こども定期演奏会」でプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を演奏したことなどで実証済みだ。そんな藤田が「ずっとやってみたかった」と語る2時間のソロリサイタルが、12月に津田ホールで開催される。 「コンクール優勝記念ということで急遽9月にお話をいただき、すぐに『やります!』とお返事しました」 にこやかにゆったりと語る藤田だが、その瞳には明るさと意欲が宿る。プログラムはベートーヴェンのピアノソナタ第7番で開始。 「ベートーヴェンの初期のソナタのうち7番だけ弾いたことがなかったので、今回挑戦することにしました。1曲目でリサイタル全体の流れが作られると思うので、とても大事に考えています」 続くリストの超絶技巧練習曲第10番、ワーグナー=リストの「タンホイザー序曲」はコンクールで演奏したため「安心感のある曲目」と語る。ウィーン在住の現代作曲家カラストヤノヴァ=ヘルメンティンの「リンタリス」はコンクール課題曲として書き下ろされた難曲で日本初演となる。 「切れ味のあるリズムが特徴的で、いきなり音が跳躍します。僕は激しい動きのある作品が大好きです。9歳から師事している松山元先生はバロックから現代までたくさんの作曲家の作品を弾かせてくれました。小学生の頃から三善晃さんや野平一郎さんのピアノ曲にも取り組んできたので現代曲に抵抗はありません」 プログラムの最後にラフマニノフの「6つの楽興の時」を全曲取り上げる。 「6曲すべて表情が違うので、気持をスイッチさせて鮮やかに演奏したいと思います。第2曲は改訂版もありますが、左手がまるで木枯らしのように動き回る原典版が気に入っているのでそちらを使用します」 ピアノを好きになったのは「先生が貸してくれたミケランジェリ、ギレリス、バックハウスなどのCDをたくさん聴いたから」とのこと。将来の夢は? と訊ねると「それはやっぱり…ショパン・コンクールでの優勝です」とほのぼのとしたトーンで語る。頼もしい笑顔に期待が膨らむ。また、11月末にはデビュー盤『MAO FUJITA』もリリース。こちらも要チェックだ。取材・文:飯田有抄★12月7日(土)・津田ホール●発売中問 プロアルテムジケ03-3943-6677http://www.proarte.co.jp古典から現代までを弾きこなす驚異の中学3年生藤田真央 (ピアノ)インタビュー 「初詣の前には必ず、びわ湖ホールのジルヴェスター・コンサートを聴いて年越しする」と決めている関西の音楽ファンは数多い。午後10時に開演し、名曲をたっぷりと楽しんだ後、会場にいる全員でカウントダウンを行う恒例のイベントも、15回目に。今回は桂米團治の司会で、びわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典が大阪交響楽団を指揮する。まずは、ヴィヴァルディ「四季」を、毛利文香、会田莉凡(りぼん)、篠原悠那、小林美樹とフレッシュなヴァイオリニスト4人が、ソリストをリレーしながら披露。そして、水口聡(テノール)とデニス・ビシュニャ(バス)を迎え、びわ湖ホール声楽アンサンブルも加わっ豪華絢爛な一夜をびわ湖ホール ジルヴェスター・コンサート 2013〜14て、プッチーニの歌劇《トゥーランドット》から「誰も寝てはならぬ」をはじめとする名旋律をたっぷりと。さらに、一般公募によるジルヴェスター・ファンファーレ隊が、沼尻自身の作曲による「祝祭ファンファーレ」を奏でて新年の訪れを告げ、エルガー「威風堂々」第1番で希望を謳い上げる。文:笹田和人★12月31日(火)・びわ湖ホール ●発売中問 びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136 http://www.biwako-hall.or.jp沼尻竜典桂米團治前回の模様マークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)
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