eぶらあぼ 2013.12月号
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54指揮:小林研一郎 ★12月19日(木)、23日(月・祝)・東京芸術劇場、26日(木)・横浜みなとみらいホール、27日(金)・サントリーホール、28日(土)・東京芸術劇場指揮:広上淳一 ★12月14日(土)・横浜みなとみらいホール、15日(日)・サントリーホール ●発売中 問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911 http://www.japanphil.or.jp 12月なのに暑い、いや熱い!! 日本フィルの年末「第九」を振るのが小林研一郎と広上淳一とくれば、会場の温度は急上昇必至。「苦悩を経て歓喜へ」のメッセージを体感し、魂を揺さぶられるような感動を味わい、行く年来る年に思いを馳せる…聴衆が年末「第九」に求めるものはすべてここにある。あとは公演日を選ぶだけ…では話が終わってしまうので、もう少し補足しよう。 “炎のコバケン”は70歳を超えてますます意気盛ん。「第九」ならばその情熱的表現に深い情感を加えた円熟ぶりが、明確にわかるだろう。55歳の広上は、指揮者としてちょうど脂が乗る頃合い。ただ京都市響の常任指揮者就任以降、首都圏で聴ける機会が若干減っているので、その意味でも聴き逃せない。もちろん、入魂のエネルギーで濃密に迫るコバケンと、熱気の中に躍動感やエスプリを湛えた広上の個性の違いもポイント。また公演日によって錦織健以外のソリストが異なるし、今年12月、これ以上熱い“歓喜の日”はない!日本フィルハーモニー交響楽団「第九」「第九」の前曲が、コバケンの回はパイプオルガン(独奏:長井浩美)によるバッハ2曲、広上は生誕200年の掉尾を飾るワーグナー「ジークフリート牧歌」なので、これもお好みで選べる。 日本フィルは、今年9月のインキネン指揮による《ワルキューレ》第1幕で、ドラマティックな名演を繰り広げ、今年多く演奏された同曲の中でも最上位の賞賛を獲得した。それゆえ劇的な「第九」への期待度はいつも以上に高く、同楽団にゆかりの深い2人が、充実顕著な今の日本フィルからいかなる音楽を引き出すか? が最大の見どころとなる。しかしこうなると、両方の公演に行くのがベストかもしれない。文:柴田克彦小林研一郎Ⓒ浦野俊之広上淳一 Photo:Greg Sailor 作曲、ピアノ、コンサートのプロデュースや指揮、そしてテレビ番組への出演など、縦横無尽に活躍する宮川彬良と、新日本フィルがタッグを組んで贈る年越しのカウントダウン・コンサート。クラシックはもちろん、歌謡曲、ロック、ミュージカルなど、なんでもござれの《コンチェルタンテ》シリーズで、すでに息の合ったところを示している両者のコンビだけに、その面白さは鉄板だ。コンサートを、理屈抜きのエンタテインメントに仕立ててくれるのがうれしい。 プログラムは盛りだくさん。コンチェ新年は楽しさてんこ盛りのプログラムで迎えよう宮川彬良 vs 新日本フィルハーモニー交響楽団 超! 年越しコンサート 2013→2014ルタンテ・シリーズのテーマ曲、宮川作曲の美しい「風のオリヴァストロ」で幕を開ける第1部は、昭和の歌謡曲から。「買物ブギー」や、宮川の父・泰がザ・ピーナッツに書いた「愛のフィナーレ」「恋のバカンス」、そして宮川が神野美伽に書いた「手紙」や、森進一に書いた「はな」といった歌を、なんとゲストのソプラノ鮫島有美子が歌う。つづいて映画音楽のゴージャスなオーケストラ・サウンドも堪能。第2部は、ピアノ学習者におなじみのブルグミュラー大解剖に、今年初演された宮川の新作オペラ《あしたの瞳》からの抜粋も楽しみ。そしてカウントダウンで2014年を迎えたあとは、再び鮫島が登場、なんと宮川作曲の大ヒット曲「マツケンサンバ」で賑やかに新年を寿(ことほ)ぐ。 終演後はそのまま初詣に出かけるもよし。ゴージャスに、楽しく、特別な気分で新しい年を迎えよう。文:宮本 明★12月31日(火)・すみだトリフォニーホール ●発売中問 新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 http://www.njp.or.jp宮川彬良Ⓒ石黒ミカコ鮫島有美子前回の模様マークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)

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