eぶらあぼ 2013.12月号
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50★12月14日(土)・東京オペラシティコンサートホール ●発売中問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 http://www.japanarts.co.jp他公演 12/1(日)・福岡/宗像ユリックス、12/4(水)・横浜みなとみらいホール、12/7(土)・川西市みつなかホール、12/8(日)・大阪/ザ・シンフォニーホール、12/15(日)・宮城/中新田バッハホール 総合問合:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 ドイツ語圏やチェコの冬の風物詩として知られ、華やかなライトアップの下で人々の笑顔が行き交うクリスマスマーケット。今年の12月は東京オペラシティがそんな温かい雰囲気に包まれるかもしれない。プラハから、あのスーク室内オーケストラがやって来るのだから。 作曲家ヨセフ・スークの名を冠し、世界的ヴァイオリニストであった同名の孫が2000年まで芸術監督を務めていた同室内楽団は、特に弦の響きの美しさに定評がある。得意とするレパートリーはバロックから現代音楽まで幅広いが、今回のコンサートではバッハ=グノーやシューベルト「アヴェ・マリア」からヘンデル「ラルゴ」など敬虔な旋律を会場いっぱいに響かせ、クリスマス・ムードを彩ってくれるに違いない。共演は日本が誇るヴァイオリニストの千住真理子。近年は講演や執筆活動などで多岐にわたる活躍を見せ、今年刊行した、がんと闘う母親と交わした43通の手紙を収録した『命の往復書簡2011〜数々の名曲を美しい弦の響きで千住真理子&スーク室内オーケストラ クリスマス・コンサート2013』も各界から大きな注目を集めた。当日はクライスラー没後50年にあたる昨年リリースした最新アルバム収録の「愛の喜び」と「愛の悲しみ」も演奏予定。東日本大震災の被災地などでの演奏を通して、音楽が人に与える力についてあらためて気づかされ「誰かが悲しみのとき、寄り添えるひとでありたい」(アルバム『愛のクライスラー』ライナーより)という彼女。クリスマスの精神にこれほどふさわしい素敵な一夜はないだろう。文:東端哲也千住真理子 Photo:富田眞光(vale.)スーク室内オーケストラ 2014年1月の東京フィル定期に出演が予定されていた女性指揮者アロンドラ・デ・ラ・パーラが3月に出産を控えているために来日できなくなった。代わって指揮台に上がるのは、今年5月に同フィル定期に登場して高い評価を得ているアンドレア・バッティストーニ。ヴェローナ生まれで、20代にしてパルマ王立歌劇場の首席客演指揮者を務めている話題のイタリアの俊英だ。 デ・ラ・パーラはアメリカ大陸での活動が多く、選曲にもその色が濃く反映されている。「ラプソディ・イン・ブルー」(1/26)、「ウェスト・サイド物語」(1/31)、「新世界より」(1/26,1/28)などに加え、チャベス「インディオ交響曲」(1/26,1/28)というメキシコの指揮者でなければ、まず取り上げないであろう曲も入っている。その3プログラムがそのまま引き継がれたために、“若手イタリア人指揮者によるアメリカ大陸プログラム”が期せずして出来上がった、というわけなのだ。 ベルリン・フィル首席の清水直子のソイタリア人指揮者によるアメリカ大陸プログラムアンドレア・バッティストーニ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団ロによるバルトークの遺作「ヴィオラ協奏曲」(1/28)は作曲家の息子が直筆譜をできる限り生かして改定した版を用いる。難易度がさらにアップしているという。キューバ生まれのピアニスト、ホルヘ・ルイス・プラッツによる「ラプソディ・イン・ブルー」では、ラテンな味わいがどのように表現されるのか期待が募る。 5月の「ローマ三部作」で、バッティストーニは東京フィルを多彩かつ豊かに鳴らしながら、常に明晰なテクスチュアを提示していた。こうした美質はもちろん今回も期待できようが、アメリカ音楽にはリズム感やノリも重要になる。若き才能がこの点をどう料理するのか。これは面白そうだ。文:江藤光紀第842回 オーチャード定期演奏会 ★2014年1月26日(日)・Bunkamuraオーチャードホール第83回 東京オペラシティ定期シリーズ★1月28日(火)・東京オペラシティコンサートホール第843回 サントリー定期シリーズ★1月31日(金)・サントリーホール ●発売中問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 http://www.tpo.or.jpPhoto:Roberto Masottiマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)

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