eぶらあぼ 2013.10月号
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92★10月23日(水)・東京オペラシティ コンサートホール ●発売中問東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 http://www.operacity.jpマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) スタイリッシュなリズムと小粋なメロディによる音楽を多く残し、一方で厳粛なカトリックの声楽作品も作曲。今年、没後50年を迎えたフランスの作曲家フランシス・プーランクの作品は、恩師と言えるエリック・サティのエスプリ&諧謔精神を受け継ぎ、ジャズやシャンソンなど他ジャンルの音楽ともリンクする。一度魅了されてしまったら最後、抗しきれない不思議な魅力があるのだ。 その膨大なプーランク作品のエッセンスを抽出した記念コンサート《フランシス・プーランクの夕べ》(気軽な雰囲気のタイトルがこの作曲家にぴったり!)は、初めてプーランクを聴くという方にも太鼓判でオススメできるプログラムだ。コケティッシュなパリジェンヌを連想してしまうピアノ曲で幕を開け、歌曲、室内楽曲と編成を徐々に拡大。つむじ風のような音楽の中に、おしゃれなフレンチポップスを思わせるメロディが浮かび上がるといった“プーランク節”の洗礼を受け、コンサートの前半でもう虜になってしまうだろう。ピアノの菊地裕介を軸とする管楽器奏者たちや歌手(全員が東京オペラ“プーランク節”の洗礼を受けてみようフランシス・プーランクの夕べシティのホール名物企画「B→C」出演者)が、見事な演奏で作曲家を讃えてくれるはずだ。 後半は鈴木雅明指揮による「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」と「スターバト・マーテル」で、一気にスケールアップ。マーラーの交響曲なども指揮する鈴木だが、プーランク作品は珍しい。オルガンを鈴木優人が演奏するのも大きなトピックだ。さあ、あなたもプーランク・ファンの仲間入りを。文:オヤマダアツシ鈴木雅明ⒸMarco Borggreve菊地裕介ⒸOctavia Records Inc. 京都出身の木琴奏者・通崎睦美が、往年の名木琴奏者・平岡養一(1907〜81)の愛器を手に、東京と京都でリサイタルを開催する。往年の音楽ファンにとって、平岡養一は懐かしい名前かもしれない。独学で木琴を学び、渡米した平岡は、11年にわたり名門・NBC交響楽団の専属として活動。帰国後は日本のクラシック、ポピュラー双方のファンに愛された音楽家だ。通崎は、1935年にシカゴで製作された木琴を平岡から譲り受けたそうだ。 今回のリサイタルは、9月9日発売された通崎の著作『木琴デイズ 平岡養一〜天衣無縫の音楽人生』に関連する曲目をちりばめた、とても洒落た構成になっており、ピアノの西脇千花とリコーダーの本村睦幸が共演する。通崎は生前の平岡と一度共演しているという。平岡70歳、通崎10歳の時で、その思い出の共演曲、モンティの驚きと発見に満ちた多彩な選曲通つう崎ざき睦美(木琴) 木琴文庫 vol.2「チャールダーシュ」でリサイタルが始まる。プログラムには平岡の愛奏曲「アマリリス」(編曲:当摩泰久)、平岡の所蔵楽譜から発見された江文也の「祭りの主題による狂詩曲」なども含まれる。平岡の従兄弟が編曲したメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲をレパートリーにしていた平岡だが、今回通崎は、同曲第3楽章にもとづく西邑由記子作品を披露する。新作委嘱にも積極的で、黛敏郎や伊福部昭に木琴協奏曲を依頼した平岡。そうした心意気を引き継ぎ、通崎が委嘱した新作は、伊左治直による木琴とリコーダーのための「スパイと踊り子」。驚きと発見に満ちた多彩な選曲で楽しませてくれそうだ。文:伊藤制子★10月10日(木)・東京オペラシティリサイタルホール、19日(土)・京都府立府民ホールアルティ ●発売中問ヒラサ・オフィス03-5429-2399 http://www.hirasaoffice06.comⒸ中川忠明

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