eぶらあぼ 2013.10月号
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50原:本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。Hakujuホールは今年で10周年を迎えましたが、皆さんにはこれまでにもいろいろなコンサートにご出演いただき、ホールにとっても親しい間柄のアーティストです。そればかりではなく、東日本大震災の直後にもロビーでの支援コンサートに出演していただきましたね。長谷川:あのときはコンサートもほとんど中止でしたから、声をかけていただいたおかげで「自分たちは演奏してもいいんだ」という安心感がありました。三舩:音楽家としての使命感についても考えましたし、思い出深い経験でしたね。林:音楽家同士の絆を深めた場でもありましたね。お客様との距離もより近く感じられ、このホールならではの温かさを実感しました。音楽家個人の力は微々たるものですから、ホールからお声をかけていただけたことは、本当にありがたかったです。原:いちばん古いお付き合いになるのは三舩さんです。音が気持ちよく跳ね返ってくるホール三舩:ホールのデザインを決定するコンペという、大事な場に呼んでいただきました。あのときは4種類の案があり、その場にいた全員一致で現在の斬新な案に決まったんでしたよね。原:ほかにも木漏れ日が印象的なデザインや、和風のデザインなどがありましたね。長谷川:私はオープンの直前にホールへ入れていただき、ステージで楽器を弾きましたけれど、とてもスタイリッシュなデザインに驚いた記憶があります。実際に楽器を弾いてみると、音が気持ちよく跳ね返ってきてキャッチボールをしているような感覚を味わえました。お客様が入ったコンサートで弾いたときは、家庭的な雰囲気のあるプライベート空間という感じがして、なかなかそういっホールの過去、現在、そして未来を語るHakuju Hall 開館10周年記念特別座談会代々木公園の豊かな緑を臨む絶好のロケーションに位置するHakuju Hallは、開館以来《リクライニング・コンサート・シリーズ》をはじめとした斬新な企画を次々と打ち出し、コンサート・シーンに新風を送り続けている。同ホールが、今年の10月に開館10周年記念を迎えるにあたり、ホールに馴染みの深いアーティストであるチェリストの長谷川陽子さん、メゾソプラノの林美智子さん、そしてピアニストの三舩優子さんを迎えて、ホールについての楽しいエピソードや今後の期待などを思う存分話してもらった。司会はHakuju Hall支配人の原浩之氏。 取材・文:オヤマダアツシ 写真:青柳 聡

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