eぶらあぼ 2013.10月号
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ジャン=フレデリック・ヌーブルジェになる。ときに指全体が鉤爪のように歪曲し、ときに鍵盤と平行になるくらいに伸び切る。視覚で捕らえたそのフォームは、そっくりそのまま音として出現し、わたしたちの聴覚を刺激する。「さまざまな音の響きをテクニカルに生み出すためには、フォームに拘りはありません。ベースとして指を丸くして演奏するという教育的な考えには賛成ですが、研究していくうちに様々なフォームを開拓してきました。ホ 2007年の日本デビュー・リサイタルから6年。2009年に続いて3度目となるリサイタルが11月6日に東京オペラシティで開かれる。今年は5月にも《ラ・フォル・ジュルネ》音楽祭出演のために来日し、ラヴェル、フランク、そして苛烈なエネルギーを放つ自作品(音楽祭の委嘱による室内楽)も披露した。小規模な会場でその弾き姿を目の当たりにすると、驚くほど変幻自在に動き回る指のフォームに釘付け作曲家としても演奏家としても、理想を求める姿勢は美の探求そのもの42インタビュー© Carole Bellaiche

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