eぶらあぼ 2013.9月号
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36 「コントラバスでもこんなに表情豊かな音楽が奏でられる! そんな思いを味わって欲しい」との訴えに心が動く。日常耳にしないコントラバスのソロ。東京オペラシティの人気シリーズ《B→C》でも8年ぶりというから聴き逃せない。主役は幣隆太朗。東京芸大在学中にドイツ・ヴュルツブルク音大へ留学し、ベルリン・シュターツカペレのアカデミー生を経て、2007年からシュトゥットガルト放送響の奏者として活躍する名手だ。プログラムも興味津々。基本となるバッハのガンバ・ソナタ、貴重なソロ曲=ヒンデミットのソナタ、チェロとはドイツ仕込みの深く柔らかな低弦ワールド東京オペラシティ Bビー→トゥーCシー 幣へい 隆太朗(コントラバス)違った深い響きに挑むブラームスのチェロ・ソナタ第1番(低音重視の曲ゆえ大注目!)が並ぶ。そんなドイツのクラシックものの間に、最低弦からBACH音型で展開するズビンデン、細やかな表現や響きが魅力の西田由美子作品、民俗音楽をモチーフにしたタバコフの人気曲、雄大なフィンランドの情景が目に浮かぶハウタ=アホ作品と続く現代オリジナル曲が挟まれる。この楽器だけがもつ柔らかく美しい低音に浸り切る稀少な一夜!文:柴田克彦★9月10日(火)・東京オペラシティ リサイタルホール ●発売中問東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 http://www.operacity.jpⒸMasato Tomii 独奏曲、室内楽、さらには管弦楽作品からオペラまで多数の作品を書いている新実徳英。近年は震災を機に、福島在住の詩人・和合亮一の歌詞に作曲した「つぶてソング」が幅広い支持を受け、各地で歌われている。昨年秋に開催された新実徳英作品個展が大好評。10月1日、その第2弾が行われる。今回は室内楽作品特集。世界初演となる弦楽四重奏曲第3番では、生命の躍動への衝動を表出したいとのことで、新実の既作の協奏交響曲「エランヴィタール」の系譜に連なるものとなりそうだ。他の名手たちが紡ぐ“新実サウンド”新実徳英作品個展Ⅱ 〜室内楽を巡ってプログラムは、ピアノ三重奏曲、弦楽四重奏曲第2番、そしてチェロとピアノのためのソナタという正統派室内楽編成のレパートリーが揃う。出演者は、新実作品に理解の深い実力派を中心としたメンバーで構成されている。チェロの堤剛、ピアノの若林顕、そして大谷康子、齋藤真知亜、百武由紀、苅田雅治による弦楽四重奏団クヮトロ・ピアチェーリ。文:伊藤制子★10月1日(火)・浜離宮朝日ホール●発売中問東京コンサーツ03-3226-9755http://www.tokyo-concerts.co.jp新実徳英 Photo:近藤 篤 トップ・ピアニストにして、クラシック界きってのエンターテイナーでもある斎藤雅広が、5回目となる《3大ピアノ★プロジェクト PIANO三重弾!》を10月6日に開催する。今回も会場の杉並公会堂が所有するスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインという御三家メーカーのピアノがそろう。例年斎藤と共演してきたのは、クラシックやジャズ界の実力派ピアニストたち。今年は、2005年のショパン国際コンクールで同等の第4位を分けた二人のピアニスト、山本貴志と関本昌平が登場するというから聴き逃せない。歌心に磨きの3人の男たちによる熱い競演3大ピアノ★プロジェクト PIANO三さん重じゅう弾びき! Part Ⅴかかる山本、音色に鋭さ極まる関本という2人の俊英は、果たして斎藤が期待するとおり「仲良く」かつ「触発」し合うような演奏を展開してくれるのか?! 曲目には生誕200年のヴェルディとワーグナー、生誕100年のルトスワフスキやプーランクなどのアレンジ作品が並ぶ。3人が一堂に会し、ボリューム感たっぷりの豪華なステージが期待できそうだ。文:飯田有抄★10月6日(日)・杉並公会堂 ●発売中問杉並公会堂03-5347-4450 http://www.suginamikoukaidou.com斎藤雅広山本貴志ⒸMarco Borggreve関本昌平マークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)

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