eぶらあぼ 2013.9月号
104/191
101読売日本交響楽団常任指揮者 シルヴァン・カンブルランお申込み・お問合せ 読響チケットセンター(10時~18時・年中無休)0570‒00‒4390 http://yomikyo.or.jp/≪9月~10月の聴きどころ≫ 9月は、常任指揮者シルヴァン・カンブルランが3つのプログラムを指揮する。 3日は、過ぎ去る夏を思い返すような想いの詰まったプログラムが組まれた。まずは今年が生誕100年のブリテンの“白鳥の歌”とも言われる美しい「ラクリメ」で演奏会は始まり、代表作のひとつ「シンフォニア・ダ・レクイエム」が続く。後半は、ショスタコーヴィチに師事した孤高の女性作曲家ウストヴォーリスカヤ「怒りの日」が置かれている。この曲は、コントラバス8本とピアノと打楽器という特殊な編成で、新しい響きを追求した力強い作品。メインのストラヴィンスキー「詩篇交響曲」も、ヴァイオリンとヴィオラが省かれた編成で、合唱とともに深い祈りの音楽で会場を包み込む。人間の生命力や愛を讃えたこの傑作で、カンブルランは新国立劇場合唱団とともに透明感ある響きを導き出すことだろう。カンブルランの渾身のプログラムをお聴き逃しなく。 8日は、春という季節を音で描いた3つの作品が並べられた《春プログラム》。カンブルランが得意とするドビュッシーの「春のロンド」に始まり、シューマンの「春」、そしてストラヴィンスキーの「春の祭典」が並べられた。カンブルランは、「春の祭典」を2010年の常任指揮者就任披露演奏会でも指揮し、会場は大きな声援に包まれ、音楽専門誌でも絶賛された。今回は、再演を望む多くの声に応えて実現した。 13日、14日は、モーツァルトとメンデルスゾーンのプログラム。今年3月にも同じ作曲家の組み合わせで演奏会を開いており、カンブルランの生き生きとした音楽づくりが聴衆を魅了した。「スコットランド」でも、歯切れのよいリズムと軽やかな旋律が、会場に爽やかな風を送ってくれるだろう。ケルン放送WDR交響楽団コンサートマスターの荻原尚子と、ベルリン・フィル首席ヴィオラ奏者の清水直子が独奏を務めるモーツァルトにもご注目を。 9月後半には、首席客演指揮者の下野竜也が久しぶりに登場し、24日には32年ぶりに神奈川県立音楽堂で特別演奏会を開催。僅か996席の臨場感あふれる空間でブラームスの交響曲第1番を披露するほか、尺八の藤原道山が一柳と千住作品で読響と初共演する。現代作品でも定評のある下野が、オーケストラと尺八による新たな創造の空間をどのように作るのか、ご期待いただきたい。 10月は、桂冠名誉指揮者スタニスラフ・スクロヴァチェフスキが登場する。近年はベルリン・フィルやフランクフルト放送響などでも高い評価を得ており、日本での人気も絶大だ。 今回の来日中の10月3日はマエストロの90歳の誕生日であり、全国からファンが押し寄せるだろう。ショスタコーヴィチの交響曲第5番では、巨匠ならではの筋肉質で切れ味鋭い演奏が期待できそうだ。 12日は、得意のブルックナーの交響曲から第4番「ロマンティック」を披露する。活き活きとした、そして作品の神髄に迫る深い音楽が、ホールを包むだろう。2013年度1回券(9~12月)下期会員券(10月~3月) 絶賛発売中◆下野竜也×藤原道山 in 神奈川県立音楽堂9/24(火)19:00 神奈川県立音楽堂 全席指定¥5,000指揮=下野竜也 尺八=藤原道山一柳 慧/音に還る ~尺八とオーケストラのための千住 明/黄金の海ブラームス/交響曲第1番 他藤原道山下野竜也Ⓒ読響◆カンブルランが描く《スコットランド》9/13(金)19:00 サントリーホール 9/14(土)14:00 横浜みなとみらいホール 指揮=シルヴァン・カンブルランヴァイオリン=荻原尚子 ヴィオラ=清水直子モーツァルト/交響曲第29番K.201 協奏交響曲 K.364メンデルスゾーン/交響曲第3番「スコットランド」S¥7,000 A¥6,000 B¥5,000 C完売清水直子 ⒸOji HallPhoto Fumiaki Fujimoto荻原尚子◆カンブルランの《春の祭典》9/8(日)14:00 東京芸術劇場 S・完売 A¥5,000 B¥4,000 C完売指揮=シルヴァン・カンブルランシューマン/交響曲第1番「春」ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」 他シルヴァン・カンブルランⒸ読響 撮影:青柳聡◆《涙、怒り、祈り》~夏の終わりに~9/3(火)19:00 サントリーホール S¥7,000 A¥6,000 B¥5,000 C¥3,500指揮=シルヴァン・カンブルランヴィオラ=鈴木康浩(読響ソロ・ヴィオラ奏者)合唱=新国立劇場合唱団ブリテン/「ラクリメ」、シンフォニア・ダ・レクイエムウストヴォーリスカヤ/コンポジション第2番「怒りの日」ストラヴィンスキー/詩篇交響曲鈴木康浩Ⓒ読響◆90歳の巨匠スクロヴァチェフスキが登場10/2(水)19:00 サントリーホールS¥7,000 A¥6,000 B¥5,000 C完売10/3(木)18:30 東京オペラシティS¥7,000 A¥5,000 B¥4,000 C完売指揮=S.スクロヴァチェフスキベルリオーズ/「ロミオとジュリエット」からショスタコーヴィチ/交響曲第5番 他◆巨匠スクロヴァチェフスキのブルックナー10/12(土)18:00 サントリーホールS¥7,000 A¥6,000 B完売 C完売10/14(月・祝)14:00 東京芸術劇場S¥7,000 A¥5,000 B¥4,000 C¥3,000指揮=S.スクロヴァチェフスキブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」 他Ⓒ読響
元のページ