Tag Archive for 都響

サントリー芸術財団 サマーフェスティバル 2016

多彩な現代音楽シーンを伝える真夏の8日間  現代音楽の祭典サントリー・サマーフェスティバルといえば、いまや夏の終わりの風物詩。注目は何といっても2013年からスタートしたザ・プロデューサー・シリーズだろう。特定の企画立案者が、自らの審美眼や問題意識に基づいて選曲する。演奏の“いかに”だけでなく、チョイスの“なぜ”という…

東京文化会館 《響の森》コンサート vol.38 小林研一郎(指揮) 東京都交響楽団

真夏の夜に流れる北国の熱気と涼気  コンサートが少なくなる8月に、日本屈指の指揮者、オーケストラ、ピアニストの演奏で、本格的な名曲を堪能できるのが、東京文化会館の「《響の森》vol.38」。同会館の音楽監督を務める“炎のコバケン”小林研一郎の指揮、常にハイクオリティのサウンドを聴かせる東京都交響楽団の演奏、デビュー30…

秋山和慶(指揮) 東京都交響楽団

名匠の職人技が光る好プログラム  昨年、指揮者生活50周年を迎えた秋山和慶が都響の指揮台に立ち、独墺圏からお気に入りのプログラムを披露する。  ヒンデミット「弦楽と金管のための協奏音楽」は、ボストン響創立50周年を記念して作曲された。木管や打楽器を欠いているため色彩感が弱まり、絶対音楽として厳しく構築された音楽には職人…

クリスチャン・ヤルヴィ(指揮) 東京都交響楽団

2大現代作曲家の対照する世界観  父ネーメ、兄パーヴォはもちろんだが、クリスチャン・ヤルヴィを忘れていただいては困ります。ドイツのMDRライプツィヒ放送交響楽団をはじめ、世界中の主要オーケストラを縦横無尽に指揮しながら刺激的な音楽を生み出している彼の姿は、ときに父や兄よりも過激に、そして現代的に映るかもしれない。  し…

一柳 慧(作曲、ピアノ)

初めてピアノ協奏曲を自作初演します  東京オペラシティで毎年開催される現代音楽の祭典『コンポージアム』。2016年度武満徹作曲賞の審査員は一柳慧で、今年は作曲賞本選演奏会と一柳の個展コンサートが行われる。  25日は「一柳慧の音楽」と題して、2001年作曲の室内オーケストラのための「ビトゥイーン・スペース・アンド・タイ…

フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮) 東京都交響楽団

4管編成“バレエ全曲版”で顕になるストラヴィンスキーの創意  間違いなく、いま聴くべき指揮者の一人だろう。ルネサンスから現代までの幅広いレパートリーに新しい光を当て、昨日作曲されたような新鮮さで聴かせてくれるフランソワ=グザヴィエ・ロトは、常に何かを期待させる指揮者でもある。自身が結成したアンサンブル「レ・シエクル(世…

東京都交響楽団 プロムナードコンサート No.367

“作品至上主義”の音楽づくり  小泉和裕が都響の指揮台に登場すると、いつにも増して腰を据えた真摯な音楽が生まれ、スコアそのものが語り出すという印象を受けるのは筆者だけだろうか。現在は終身名誉指揮者という肩書きをもつが、九響と名古屋フィルの音楽監督を務め(後者は2016年4月から)、仙台フィルと神奈川フィルでも客演指揮者…

東京都交響楽団 「作曲家の肖像」シリーズ Vol.106(最終回) 日本

フィナーレは日本人作曲家の佳品を集めて  一人の作曲家に焦点を当ててプログラミングする都響の「作曲家の肖像」シリーズ。このところは趣向を変えて国ごとにテーマを設定していたが、最終回は都響が誇る音楽監督の大野和士が登場し、我が日本の作曲家たちをフィーチャーする。  武満徹「冬(ウィンター)」は1972年の札幌冬季五輪を記…

イアン・ボストリッジ(テノール)

ランボーの詩にブリテンは自分の心を共振させたのかもしれません  滑らかな声音と抜群の喉の技で、バロックから近代まで緻密な歌の世界を作り上げるイアン・ボストリッジ。オックスフォードとケンブリッジで歴史学を学んだ知性派の名テノールが、この6月に東京都交響楽団と初共演。大野和士の指揮でブリテン初期の代表作、歌曲集『イリュミナ…

アラン・ギルバート(指揮) 東京都交響楽団

キーワードは“追悼”と“伝説”  2011年7月の初共演でセンセーションを巻き起こしたアラン・ギルバートが、ふたたび都響の指揮台に帰ってくる。ニューヨーク・フィル音楽監督を務めるアラン・ギルバートが日本のオーケストラを指揮するというだけでも話題性は十分だが、さらに興味深いのが考え抜かれたプログラムだ。  武満徹の「トゥ…