Tag Archive for ピアノ

来日50周年特別公演 エリック・ハイドシェック(ピアノ) with カメラータ・ジオン

モーツァルトのアンダンテに潜む哀愁と陰影  フランスの古都ランスのシャンパン王シャルル・エドシック家に生まれたエリック・ハイドシェックは、粋で洒脱で色彩感に富む個性的なピアノを奏でることで知られる。 「確かに恵まれた子ども時代を過ごしましたが、私の時代は戦争があった。その苦難はいまでも忘れられません。明るく見える曲でも…

府中の森クラシックコレクション 神尾真由子(ヴァイオリン) × 佐藤卓史(ピアノ) デュオリサイタル

旬の2人が放つ煌めきのデュオ  2つの卓越した才能がステージで出逢い、新たな響きの扉を開く――。  2007年にチャイコフスキー国際コンクールを制したヴァイオリンの神尾真由子。そして、同年にシューベルト国際、11年にはカントゥ国際の両コンクールで優勝を果たしたピアノの佐藤卓史。共に次代を担う若き名手として、国内外の檜舞…

ヴァディム・ホロデンコ(ピアノ)

自在なピアニズムで紡ぐ音の小宇宙と神秘和音  ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの優勝後、浜離宮朝日ホールでリストの超絶技巧練習曲集全曲を奏でたのは、すでに5年前。ヴァディム・ホロデンコは、その後も日本を含め世界各国で演奏活動を繰り広げている。クライバーンの前に優勝した仙台国際コンクールでは、19年に開催される同…

異才たちのピアニズム――ピアノ音楽の本質を伝える才知との邂逅 イノン・バルナタン

縦横無尽に広がる想像の翼  トッパンホールの「異才たちのピアニズム」は、一風変わったテイストを持つピアニストを紹介するシリーズ。最終回を飾るテルアビブ出身のイノン・バルナタンはアラン・ギルバートが惚れ込み、ニューヨーク・フィル音楽監督時代、専属ポストに迎え入れた才能だ。そのピアノは骨太で力強く、楽譜から音楽をスケール感…

シューベルト・プラス 第4回 田部京子 ピアノ・リサイタル

鮮やかなドイツ・ロマン派の響き  田部京子の「シューベルト・プラス」が今年も開かれる。2016年、シューベルトの命日である11月19日にスタートし、翌年の7月、そして再び命日と続けられ、来たる6月22日に4回目を迎える。過去3回はシューベルトの晩年のソナタ(第18、19、20番)を1作ずつ取り上げてきたが、今回はコンサ…

【CD】シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 /マルク=アンドレ・アムラン

 アムランの実力が遺憾なく発揮された名演。ソナタでは、冒頭から柔らかで温かみのある中音域の響かせ方と和音のバランスに既に非凡なものを感じさせるが、その表情は遅めのテンポを基調としながら絶妙なアゴーギクを駆使して旋律を感じ抜いており、それはまるで冥界からの声のように響く。この曲の要である第1楽章でここまで深い表現を聴かせ…

綱川千帆(ピアノ)

ロンドンで培った感性が息づくアルバムをリリース  12歳で渡英、20年間をロンドンで過ごして2015年に帰国したピアニスト綱川千帆がデビューCD『ノスタルジア』をリリースする。D.スカルラッティのソナタに始まり、ベートーヴェン、プーランク、ラヴェル、そしてバルトークの「ルーマニア民族舞曲」、プロコフィエフの「束の間の幻…

ダニエル・シュー(ピアノ)

“ファンタジー”とは僕にとって魅力的な言葉です  1997年カリフォルニア生まれのダニエル・シュー。2015年の浜松国際ピアノコンクールで第3位に入賞した後、17年、19歳の若さでヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール第3位に入賞。ますます活躍の場を広げることとなった。 「いつも演奏旅行や学校の課題に追われていました…

【SACD】ベートーヴェン:ピアノ作品集1/伊藤恵

 シューマンおよびシューベルトの録音に取り組み続けてきた伊藤恵が、先人への道筋を辿るようにして、いよいよベートーヴェンの作品集に取り掛かった。第1弾は、楽器の可能性を探り続けたベートーヴェンが、当時最新鋭のピアノで創造力を爆発させた、ソナタ第21番「ワルトシュタイン」と第23番「熱情」を収録。伊藤は20世紀イタリアが生…

【CD】ドビュッシーの夢/青柳いづみこ

 ドビュッシーが思い描いた情景、果たせなかった夢の音風景が、1925年製のベヒシュタインE型で鮮やかに蘇った。低音の渋みがかった色彩、スタッカートの心地よい音の弾みなど、不思議な魅力のある名器である。青柳いづみこは、少々古風で、且つどこか我の強い楽器を意のままに操り、「沈める寺」「ミンストレル」などの名曲から意外な表情…