Tag Archive for ピアノ

外山啓介(ピアノ)

新たな10年に向けての最初のリサイタル、キーワードは“音の情景”  昨シーズン、デビュー10周年を迎えた外山啓介。節目となった全国ツアーは、また一歩自らを成長させる良い経験になったという。 「実はツアーの前半、結構辛かったんです(笑)。デビュー公演と同じ曲目を多く取り上げたので、当時より良くなっていなくては、という考え…

アリス=紗良・オット(ピアノ)

光と闇にはさまれたミステリアスな時間をテーマに  この秋、アリス=紗良・オットが“ナイトフォール”をテーマとしたプログラムで全国9公演のリサイタル・ツアーを開催。それに先駆けて、同タイトルのアルバムもリリースする(ユニバーサルミュージック、8/24発売)。 「“ナイトフォール”とは、日の入りの直後、闇と光の世界が混ざり…

小菅 優(ピアノ)

“火”にまつわる様々なストーリーを表現します  人が生きる意味とは何か。そんな根源的な問いの答えを音楽で探るべく、昨年から小菅優がスタートさせたシリーズ「Four Elements(四元素)」。4年間にわたり、水、火、風、大地をテーマにリサイタルを行う。 「あらゆることが便利になった今、人間に本当に必要なものは何かをよ…

【CD】ピアノ・トランスフィギュレーション/高橋アキ

 高橋アキの新譜は、彼女と親交のあった20世紀の巨匠作曲家たちのピアノ曲集。尹伊桑、松平頼則、松平頼暁、湯浅譲二、M.フェルドマン、そして20世紀のポーランドでカリスマ的存在であったというT.シコルスキの作品である。高橋に捧げられた作品、高橋が初演を行った作品、創作過程に高橋が深く関わった作品が並ぶ。松平頼則の3分弱の…

佐藤卓史 ピアノリサイタル

ロマン派作品と「月光」ソナタに聴く洗練されたピアニズム  2007年にシューベルト国際コンクールを制するなど、数々の登竜門で実績を重ね、日本を代表する実力派ピアニストとして活躍を続ける佐藤卓史。ベートーヴェンのソナタ第14番「月光」をはじめ、得意のシューベルトなど佳品を揃えたリサイタルで、その奥深く、洗練されたピアニズ…

【CD】バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ブゾーニ編) /塚谷水無子

 東京藝大楽理科卒業後オランダで学び、オルガンなどの鍵盤楽器奏者として活動する塚谷水無子。17、18世紀鍵盤音楽を専門とする彼女による、ブゾーニ編「ゴルトベルク」の録音。ブゾーニが新しい息吹を与えたゴルトベルクを弾くことで、普遍的なバッハ演奏について考えるという興味深い試み。楽器はブゾーニと縁のあるベーゼンドルファー社…

【CD】ファンタジー/大伏啓太

 2015年ドイツのピアナーレ国際ピアノコンクールに優勝。現在、母校東京藝大や桐朋学園大で後進の指導にあたりながら演奏活動を行う大伏啓太のデビュー盤。冒頭に収録されたシューマン=リストの「献呈」から、輝かしく、同時に重みのある音で耳を引きつける。ブラームスの「8つの小品」も、ごく自然に美しい緩急をつけつつ、1曲ごと巧み…

小沢麻由子(ピアノ)

わたしがドビュッシーやフランスものに強く惹かれる理由  小沢麻由子は東京藝術大学、同大学院を経てパリ・エコールノルマル音楽院で研鑽を積んだピアニスト。これまでにフランスの作曲家の作品を中心に公演やCDリリースを続けてきた彼女が、大切にしてきたレパートリーであるドビュッシーを中心としたリサイタルを行う。 「今回のリサイタ…

【CD】余韻と手移り/高橋悠治

 ぽつりぽつりと置かれるリズムに奇妙な節回しを乗せたバッハのパルティータに始まり、小さな鐘の共鳴(ナッセン)や日本的な情緒を宿した煌めき(増本伎共子)が続く。激しくごつごつとしたテクスチュア(高橋、ヴィヴィエ)には、シンプルな点描風景(石田秀実)が対比される。響きの万華鏡が過ぎていった後のチマローザは、しみじみと美しい…

エフゲニー・キーシン ピアノ・リサイタル

熟成と深化、そして究極のピアニズム  キーシンのリサイタルを聴くと、「これ以上完成度の高いピアノ演奏は不可能ではないか」とさえ思えてくる。磨き抜かれた音で奏される、細部まで彫琢され尽くした音楽に、毎回感嘆させられる。だが彼は、10歳で協奏曲デビューした神童時代から、世界トップ級の存在となった40代の現在に至るまで、年を…