特集:ファウストの劫罰

まもなく開幕〜東響創立70周年記念公演、ベルリオーズ《ファウストの劫罰》

 巨大な管弦楽作品が顕著なベルリオーズにあって、なかでもその大編成の楽器群と合唱ゆえ、なかなか上演機会に恵まれない劇的物語《ファウストの劫罰》。  日本では1980年代以降、ジャン・フルネ&都響、小澤征爾&新日本フィル、シャルル・デュトワ N響、若杉弘&大阪フィル、小林研一郎&日本フィルが演奏会形式…

インタビュー〜ミハイル・ペトレンコ(メフィストフェレス役)

●今回、東京でメフィストフェレス・デビュー! ーー「ファウストの劫罰」のメフィストフェレス役をこれまでに歌ったことがありますか? ペトレンコ(以下P):いえ、今回日本で初めて歌います。もちろん、よく知っている作品ですし、これまでベルリオーズのオペラは何作品も歌っているので、彼の作風には親しんできました。「ロメオとジュリ…

《ファウストの劫罰》と19世紀フランスの聴衆

 エクトル・ベルリオーズ(1803〜1869年)は、19世紀フランスの代表的な作曲家として、また標題交響曲の創作によってリストやワーグナーに影響を与えた作曲家として、今日では西洋芸術音楽史のなかで重要な位置を与えられている。1830年に26歳で《幻想交響曲》を発表したベルリオーズは、独創的な前衛作曲家としての地位を築き…

インタビュー〜ソフィー・コッシュ(マルグリート役)その2

●久しぶりの来日に期待 ーーコッシュさんはしばらく来日されてないと思うのですが、前回いらしたのはいつでしょうか? コッシュ(以下K):15年前に、ズビン・メータ指揮のバイエルン州立歌劇場の来日公演の時に、東京文化会館で「フィガロの結婚」のケルビーノ役を歌ったのが唯一の来日です。それ以後も、「ばらの騎士」など何度かお話は…

インタビュー〜ソフィー・コッシュ(マルグリート役)その1

●ベルリオーズの「ファウストの劫罰」について ーーベルリオーズの「ファウストの劫罰」のマルグリートはよく歌っている役ですか? コッシュ(以下K):それほど多くは歌っていません。この作品は本来「オペラ」ではないので、舞台で演出するのが難しいのです。演奏会形式では14年前に、フランスの名指揮者ミシェル・プラッソンとスペイン…

ユベール・スダーン(指揮)

ベルリオーズがつくりあげた「音のカラー」を堪能していただきたい  日本ではコンサートの現場で親しまれている名匠ユベール・スダーン。イタリアやフランスでは歌劇場で指揮することも多く、CD化されたドニゼッティ《愛の妙薬》や、サン=サーンスの秘曲《エチエンヌ・マルセル》蘇演といった伝説的名演も広く知られている。そのスダーンが…

《ファウストの劫罰》入門〜作品の魅力を知るために〜その2

〜“聴きどころ”と演奏の“聴き比べ”の魅力 「ファウストの劫罰」 〜“聴きどころ”と演奏の“聴き比べ”の魅力  「ファウストの劫罰」は、フランスの革新的作曲家ベルリオーズ(1803〜69)の代表作のひとつ。斬新な「幻想交響曲」をベートーヴェンの死の僅か3年後に発表した彼は、色彩的な管弦楽法を用いた交響的大作や「標題音楽…

インタビュー〜マイケル・スパイアーズ(ファウスト役)その2

●オペラ歌手への道のり ——子供の頃、ご家庭では音楽は身近にありましたか?歌うようになったきっかけについて教えてください。 スパイアーズ(以下S):うちの家族は類を見ないほどの音楽一家です。両親は私の音楽の先生であり、芝居やバンドの先生でもありました。弟も妹も歌手になり、妹のエリカはブロードウェイの歌手で、最近パリのシ…

インタビュー〜マイケル・スパイアーズ(ファウスト役)その1

●ベルリオーズの「ファウストの劫罰」について ——ベルリオーズのファウスト役は、多く歌っているレパートリーでしょうか。 スパイアーズ(以下S):おそらく、僕は今活躍中のテノールの中で、いちばん多くファウスト役を歌っているのではないでしょうか。最初に歌ったのは2012年、ベルギーのオペラ・ハウスで有名な映画監督テリー・ギ…

《ファウストの劫罰》入門〜作品の魅力を知るために〜その1

『ファウスト』について 文学としての魅力、そして後世への影響 この9月、奇しくも首都圏の2つのオーケストラがベルリオーズ畢生の大作、劇的物語《ファウストの劫罰》をほぼ同時期に演奏する。ストーリー、音楽ともに魅力溢れる傑作ながら大規模な作品ゆえ、上演される機会は少ない。この作品を異なるオーケストラで聴き比べながら存分に楽…