注目公演

オペラ 《夕鶴》

“普遍的な人間ドラマ”としての再創造  團伊玖磨のオペラ《夕鶴》といえば、1952年の初演以来、すでに800回以上も上演されているという不朽の名作だ。その定番中の定番のフル上演に、佐藤しのぶが初挑戦というのはいささか意外。「自分のすべてを賭けたい」との所信を表明しているとおり、満を持しての初役となる。もちろん、伊藤京子…

日本フィルハーモニー交響楽団 ニューイヤーコンサート 2014

コンチェルトも入った豪華メニュー  新春を華やかに彩るニューイヤーコンサート。ウィーン流のワルツとポルカを中心としたプログラムもあれば、独自路線の工夫を凝らした選曲もあって、オーケストラによってそのスタイルは様々だ。  日本フィルの『ニューイヤーコンサート2014』は“ハイブリッド型”ニューイヤーとでも言うべきか。モー…

東京オペラシティ ニューイヤー・ジャズ・コンサート2014 山下洋輔プロデュース ファイナル 「ジャズのもう一つの夜明け」

類い稀なるジャズ・イべントの大団円の目撃者となれ!  2000年のスタート以来、過激かつエンタテインメントに満ちた音楽世界を生み出し続けてきた山下洋輔の《東京オペラシティ ニューイヤー・ジャズ・コンサート》。ファンにとっては新春の恒例行事でもあったこのコンサートが、2014年でついにフィナーレを迎える。  今回のコンサ…

東京フィルハーモニー交響楽団&Bunkamura ニューイヤーコンサート 2014

お正月は渋谷で華やかに!  新春は豪華なオーケストラを聴きたい、演目はなじみの名曲がいい、ウィンナ・ワルツも他も色々耳にしたい、懐かしい曲やタイムリーな曲も欲しい、話題のソリストがいるとさらに愉しい、行ってラッキーなことがあれば最高に嬉しい…と並べた贅沢な要望をすべて満たす公演、それが東京フィル&Bunkamuraの《…

弦楽五重奏で聴く《ゴルトベルク変奏曲》

静的にして饒舌な音楽の時間がここにある。〜渡辺 和(音楽ジャーナリスト)  J.S.バッハが残した孤高の鍵盤作品ともいえる「ゴルトベルク変奏曲」。 数多の鍵盤奏者がこぞって取り上げ続ける魅力がどこにあるのだろうか。  42年間毎年欠かさず演奏してきた小林道夫氏は「ずい分長いことゴルトベルク変奏曲を弾いてきて、まだ隅々ま…

小澤征爾音楽塾2014 《フィガロの結婚》

凝縮された表現方法を追究した独自のスタイルに期待  2000年に、小澤征爾が若手音楽家を実践的に育成することを目的に始めた小澤征爾音楽塾。オペラ公演を活動の中心に置き、これまでに《フィガロの結婚》、《コジ・ファン・トゥッテ》、《ドン・ジョヴァンニ》、《こうもり》、《ラ・ボエーム》、《セビリャの理髪師》、《カルメン》、《…

【WEBぶらあぼ特別コラム】オペラ《死の都》の魅力〜そのロマンティックな世界観

 愛する者が突然亡くなってしまったら、残された側はその悲しみにどう向き合うのか?例えば、ベルギーの人ロデンバックがフランス語で書いた小説『死都ブリュージュ』(1892)では、亡妻と瓜二つの女と出逢った男が、その女性の乱暴な振る舞い − 妻の遺品の『金髪の束』をもてあそぶ − に激昂して彼女を絞殺。さらに深い孤独を抱えな…

漆原啓子 (ヴァイオリン)&練木繁夫(ピアノ)デュオ・リサイタル

いまが“旬”のデュオに期待  近年、漆原啓子と練木繁夫がデュオを組み、素晴らしい成果をあげている。2人は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタに取り組み、2009年から11年にかけて全曲録音を行っただけでなく、12年3月には、《東京・春・音楽祭》において、1日でベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲を演奏した。その日…

ベルリン・フィル八重奏団

世界最高のエッセンスを体感する贅沢  “最強の集団と化した最高のアンサンブル”…第1コンサートマスター・樫本大進と首席ホルン奏者・シュテファン・ドールが加わったベルリン・フィル八重奏団を形容すればおのずとそうなる。1928年にスタートした同八重奏団は、ベルリン・フィルのメンバーが組織する室内アンサンブルの中で、最も長い…

梅田俊明(指揮) 東京都交響楽団 日本管弦楽の名曲とその源流―18

最前線の響きを堪能  都響が毎年企画している《日本管弦楽の名曲とその源流》は、現代日本の作曲家の主要作とともに、その作曲家と関連のある欧米の曲(すでに古典となっている作品が多い)をセットにして年間2プログラム上演するもので、今年9年目を迎えた。在京オケが定期演奏会で邦人作品を取り上げる貴重な場だが、昨年からプロデューサ…