ダニエル・スミス(指揮) 読売日本交響楽団

ヨーロッパで大活躍の新鋭、初登場!

 若く才能があるがまだキャリアの入り口にいる、日本では知られていないが海外では高い評価を得ているーそうした指揮者を発掘し、指揮台に立たせる人選眼には昔から定評のある読響だが、この5月に来日するダニエル・スミスも読響のスカウト力が光る公演となりそうだ。
 オーストラリア出身でフルーティストとして出発したが、ヤルヴィ父子(ネーメとパーヴォ)やジャンルイジ・ジェルメッティ、ヒュー・ウルフらに指揮を学び、ここ数年、ショルティ国際(2位)、フィテルベルク国際(1位)、マンチネッリ・オペラ国際(1位)など主要指揮者コンクールを続々と制覇している。ローマ歌劇場のアシスタント・コンダクターとしてオペラの経験も豊富なこの若き俊英、当然のことながら各国の楽団から客演依頼も殺到し、hr響(フランクフルト放送響)、マリインスキー管、ペーザロ・ロッシーニ・フェスティヴァルなどがすでに先鞭をつけた。そこに名乗りを上げたのが我らが読響、というわけなのだ。
 映像資料などからは、笑顔を絶やさず楽団と客席を自分のフィールドに巻き込み、正確なリードで音楽を盛り上げていく個性の一端が垣間見える。晴れの東京デビューは5月5日、子供の日の特別演奏会。曲目も「未完成」「運命」「新世界」と、入門者にも優しいファミリー向けの選曲になっている。まずはお手並み拝見というところだが、そのフレンドリーな雰囲気で玄人筋のみならずクラシック初心者ファンの心をわしづかみにしてくれるかもしれない。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2014年4月号から)

特別演奏会
★5月5日(月・祝)・東京オペラシティ コンサートホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390 
http://yomikyo.or.jp