大澤一彰(テノール)

大型テノールの美声に酔う

 身長180センチを超える恵まれた体躯と日本人離れした高音を武器に、オペラのプリモテノールとして檜舞台で活躍を続ける大澤一彰。2008年に日伊声楽コンコルソで第1位を獲得し、その披露コンサートでは、見事な美声でハイC♯やハイCを連発、大いに聴衆を沸かせて、一躍スターダムを駆け上がった。そして、東京芸大からパリ音楽院に学び、ミシェル・ベロフら錚々たる大家の薫陶を受けたピアノの本田聖嗣。特にフランス作品の深みある解釈が高い評価を受ける一方、ゲーム音楽の演奏も手掛けるなど、しなやかな活動が光る。そんな2つの才能が、幸せな出逢いを遂げるリサイタル。《トゥーランドット》から〈誰も寝てはならぬ〉や、《ラ・ボエーム》から〈冷たい手を〉などのプッチーニ作品をはじめ、ドニゼッティやベッリーニ、マスカーニまで、オペラの名アリアの数々に加えて、「カタリ・カタリ」などナポリ歌曲も披露。さらに、本田がソロでスカルラッティのソナタを、間奏曲のように添える。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年2月号から)

★2月24日(月)・東京文化会館(小)
問:東京コンサーツ03-3226-9755 
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