佐藤久成(ヴァイオリン)

若きマエストロの“瞬間”


 東京芸大を経てベルギーやドイツに学び、数々の国際コンクールで優勝や入賞を重ねて、ソロから室内楽まで、多彩な活躍を続けるヴァイオリンの佐藤久成。特に、音楽史の彼方に埋もれた知られざる作品の発掘に力を注ぎ、鮮烈な感性を注ぎ込んでの蘇演を通じて、聴衆を驚かせ続けている。宇野功芳企画によるシリーズ第3弾となる今回のリサイタルは、国際的な活動を展開するピアノの小林亜矢乃と共演。モーツァルトのソナタ第24・28番をはじめ、ラヴェルの難曲「ツィガーヌ」やパガニーニ「ラ・カンパネラ」、モンティ「チャールダーシュ」など名曲の数々を。もちろん、“革新のヴァイオリニスト”として知られる佐藤のこと、たとえ耳なれた名曲であっても、まるで初めて聴くかのように、瑞々しく生まれ変わらせてくれるはず。そして、ベディンガー「オード・エロティーク」など、彼らしいスパイスの効いた選曲も。常に最先端を疾走する、若きマエストロの“瞬間”を捕まえたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年1月号から)

★2014年2月15日(土)・東京文化会館(小)
問:コンサートイマジン03-3235-3777
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