ピエタリ・インキネン(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団 九州ツアー&東京公演

日本フィルが世界に誇る文化活動


 今年も日本フィルが九州を訪れる。2月8日の福岡公演から19日の宮崎公演までの全10公演。指揮を担うのはフィンランドの俊英、首席客演指揮者のピエタリ・インキネンだ。
 日本フィルと九州には特別な結びつきがある。九州ツアーは今回が39回目。1975年以来の長い歴史を持つ。単に演奏会を行うだけのツアーではなく、各地でボランティアスタッフが実行委員会に参加するなど、地域が主体となって音楽文化の一端を担っているのが特色だ。事前に日本フィルのメンバーが各地の病院や幼稚園、学校などを訪れて室内楽を演奏したり、本公演の後に地元実行委員会と楽団員、指揮者、ソリストが一緒になって懇親会で交流を深めるなど、「市民とともに歩む」日本フィルらしい活動が続けられている。
 今回の九州公演ではシベリウスとチャイコフスキー作品が演奏される。どちらもインキネンにとっては重要なレパートリー。開催地によって、インキネン本人が強く希望したというチャイコフスキーの交響曲第4番、またはシベリウスの交響曲第2番のいずれかがメイン・プログラムとなる。同時に演奏されるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(ピアノ/清水和音)またはヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン/三浦文彰)では、ソリストの妙技にも注目が集まる。
 なお、九州公演の後、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、シベリウスの交響曲第2番他のプログラムが杉並公会堂でも演奏される。九州公演で熟成を経た演奏は、普段の公演とは一味違った味わいになるかもしれない。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2014年2月号から)

日本フィル in Kyusyu・2014 第39回九州公演 
★2月8日(土)〜19日(水)・福岡、鹿児島、唐津、大牟田、佐賀、熊本、北九州、長崎、大分、宮崎 
チケット:ローソンチケット
※ツアーの詳細は日本フィルのウェブサイト(http://www.japanphil.or.jp)でご確認ください。

杉並公会堂シリーズ2013 第6回 ★2月23日(日)・杉並公会堂 
問:杉並公会堂03-5347-4450