弦楽五重奏で聴く《ゴルトベルク変奏曲》

静的にして饒舌な音楽の時間がここにある。〜渡辺 和(音楽ジャーナリスト)

松原勝也
松原勝也
 J.S.バッハが残した孤高の鍵盤作品ともいえる「ゴルトベルク変奏曲」。 数多の鍵盤奏者がこぞって取り上げ続ける魅力がどこにあるのだろうか。
 42年間毎年欠かさず演奏してきた小林道夫氏は「ずい分長いことゴルトベルク変奏曲を弾いてきて、まだ隅々まで理解が届いた気がしない(中略)。曲の深さに圧倒される」と語り、作曲家としても抜きん出た活動を続ける野平一郎氏は「冒頭のアリアは溺れるのを覚悟して大洋に泳ぎだす気分」と、ゴルトベルク変奏曲が鍵盤奏者にとって特別な意味を持つ作品であることを述べている。

  わが国を代表する弦楽器奏者で、室内楽の名手として、バッハ作品から現代音楽、ジャズの分野まで幅広く活動を続ける松原勝也が、この名曲を弦楽五重奏に編曲し、信頼する最強の共演者と共に2014年1月7日に津田ホールで演奏する。
 松原は、「まずはこの素晴らしく魅力的な作品を純粋に弦楽奏者として演奏したかったから」と編曲の動機について語り、今回と同じメンバーで収録されたCDの巻頭文には「ゴルトベルク変奏曲に弦楽器奏者として向き合う。それは真に忘れ難い稀有な邂逅だった。弦楽アンサンブルが生み出す多層のうねり、微細な陰影の揺らめきによって照らし出された壮大な伽藍に私達は胸を打たれ、その彼方に、時代、文化を超えて、誰にも等しく微笑みかけるバッハの眼差しを感じるのだ」と記している。

  弦楽五重奏曲として新たなる魅力を放つ「ゴルトベルク変奏曲」体験を新春の津田ホールで共有してみませんか。

※当日は、J.S.バッハ(松原勝也編):プレリュードとフーガ ハ短調 BWV546 (弦楽五重奏版/オリジナルはオルガン・世界初演)が「ゴルトベルク変奏曲」に先がけて演奏されます。

 リハーサル風景から
リハーサル風景から


2014年1月7日(火)19時開演 津田ホール
一般 ¥4,000 学生 ¥2,000
津田ホールチケットセンター03-5355-1299
津田ホールオンラインチケットサービス http://tsudahall.com
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード211-335)
CNプレイガイド0570-08-9990
東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
ミリオンコンサート協会03-3501-5638
主催:津田塾大学 マネジメント:ミリオンコンサート協会












 

 

 

●松原勝也 弦楽五重奏で聴く、J.S.バッハ《ゴルトベルク変奏曲》 を語る