第19回 江副記念財団コンサート

みずみずしい才能が集結


江副記念財団は、未来を担う若い芸術家育成のために、リクルート創業者で今年2月に死去した江副浩正氏が設立した。このコンサートでは、財団の支援のもと、国内外での1年間の研鑽を重ねたアーティストたちが、聴衆と天上の江副氏に、その成果を報告。かつての若き起業家の夢は、美しい調べに形を変え、着実に花を咲かせている。
登場アーティストのうち、ピアニストは3人。財団卒業生で、2007年のロン・ティボー国際コンクールで優勝したピアノの田村響は特別出演、ショパン「ソナタ第3番」を披露。05年のホロヴィッツ記念国際コンクールでジュニア部門第1位となり、現在はウィーン国立音大で学ぶピアノの高木竜馬(第35回奨学生)は、ベートーヴェン「ソナタ第31番」を。また、05年の東京音楽コンクール第1位など実績を重ね、ベルリン芸大で研鑽を積む北村朋幹(第36回)は同じくソナタ第14番「月光」をとりあげる。
一方、弦楽器奏者も3人。06年の日本音楽コンクールを制し、ブリュッセル音楽院在学中のヴァイオリニスト黒川侑(第37回)は、ベートーヴェンのソナタ第7番。そして、10年にガダニーニ・コンクール第1位となり、チューリヒ芸大に学ぶ弓新(第41回)はミヨー「屋根の上の牡牛」ほかを弾く。また、11年に日本音楽コンクールで第1位を獲得し、10月からミュンヘン音大への留学が決まっているチェロの岡本侑也(第42回)は、デュティーユ「ザッハーの名による3つのストローフェ」と黛敏郎「BUNRAKU」といった現代作品を演奏する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2013年12月号から)

★12月23日(月・祝)・紀尾井ホール
問 江副記念財団03-3592-5785